• 名前       ウインディ(PROMO){炎}
  • 収録パック    プロモーションカード
  • 購入価格     800円
  • イラストレーター REND


今回は『Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテスト2022』の総合最優秀作品賞を受賞したウインディのポケモンカードを鑑賞します。

 

 

 

 

Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテスト2022とは何か?

Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテストは、日米で同時に開催されたコンテストです。
日本側の最優秀作品品、アメリカ側の最優秀作品、そして総合最優秀作品の3作品がポケモンカードになります。
2022年度は1万点を超える応募がありました。

なお、【公式】ポケモンカードチャンネルが、コンテストに参加する際、ポケモンカードについて気をつけるべきことを説明してくれています。
その説明において、「ポケモンカードのイラストは、どんなものであるべきか」が語られており、とても興味深いです。

 

 

彼らはポケモンカードで大切にしていることに「1種類のポケモンを主役として描くこと」を挙げています。
自分の相棒であるポケモンを明確に特定できるようなイラストでないといけないわけです。

一方で、やってはいけないことを2つ挙げています。

1つはポケモンの世界にはいないオリジナルの動植物を描くことです。
ポケモン世界の生態やポケモンの個性が正しく伝わらなくなってしまうからというのが、その理由です。

もう1つは、ポケモンの特徴となるパーツを描かないことです。
ユーザーがポケモンカードを見て、ポケモンの個性や生態について想像できないようなイラストではダメなのです。

イラストの世界観

まず、ウインディとはどんなポケモンか、ポケモン図鑑の説明をまとめると以下になります

 

 

  • 草原で暮らしている
  • 威厳のある声で鳴く
  • 古い記録にも記載されている
  • 人々の信仰の対象になっている


古代エジプトで信仰されていたライオンと似たような立ち位置にいるのがウインディなのでしょう。

このイラストは日米で同時募集されたイラストコンテストにおいて、総合優勝した作品です。

ここで他の応募作品も見てみましょう。
1次通過作品のどれもが素晴らしく、全部優勝にして、全部をポケモンカードにしてほしいくらいです。これらの作品の優劣をつけるのは至難の業であり、私にはとてもできません。

 

 

ただし、これらの作品の中から、「まるでポケモンが本当に存在する生物のように感じられる、生命力に溢れた作品を1つ選べ」と言われれば、私も本イラストを選びます。

ウインディがあくびという生理現象をしている姿を見ると、まさに生きている動物だと感じられます。
そして、大きな獣でありながら穏やかな性格をしているウインディを的確に表現できてもいます。

背中に止まったヤヤコマも、ウインディの穏やかさを上手く表現できています。
ポケモンを複数描くのは、1種類のポケモンを主役に描く原理に反しているように思えるかもしれませんが、このイラストのヤヤコマはウィンディを引き立たせる脇役からはみ出ることはありません。
そして、大型動物の背中に停まる小鳥というのも、自然界にいかにも存在しそうな光景で、イラストのリアル感を増しています。

イラストの配色

鮮やかな白とオレンジのウインディは、明るい緑色の草原とのコントラストがはっきりしており、ウィンディの存在感を見る者に強烈に印象付けます。
構図と配色に凝らされた工夫により、ウィンディを本当に存在する生物のように描くことに成功しています。