本記事ではポケモンカードを描かれているイラストレーターさんを紹介します。
今回に紹介するのは、凪水そう/なぎみそ氏です

どのようなポケモンカードを描いているか

凪水そう氏の描かれたポケモンカードは以下のカード検索で確認できます

 

 

氏は人気のあるポケモンやキャラクターのイラストを多く描いています。
最近では、トップクラスの人気を誇るポケモン、マスカーニャのイラストを担当されています。

 

 

有名なところでは、シロナ、サカキ、TVレポーターなどがあります

 

 

 

 


凪水そう氏のイラストの特徴

凪水そう氏はイラストレーターであり、マンガ家でもあります。
ポケモンカードのイラストには、サン&ムーンシリーズから参加されています。

氏の描かれるポケモンカードには3つの特徴があります

  1. 光の表現へのこだわり
  2. 雲の流れる躍動感のある背景描写
  3. 豊かな表情のキャラクター


1. 光の表現へのこだわり


氏は光の表現に並々ならぬこだわりがあると感じます。
例えば、氏の描いたキャラクターのイラスト、「スター団のしたっぱ」、「ボスの指令 サカキ」には上から光が差し込み、虹色に光っています。

 

 

 

 

ポケモンのイラストの背景でも、テラキオンやザシアンのように、虹色の光が反射している美しいイラストが何点もあります

 

 

 

 

また、氏の描くポケモンのイラストは、明るい部分と影の部分が細かく何段にも分かれており、陰影の色と形が複雑です。これは光源の複雑さを反映しています。
対象に様々な角度から光を当てることで、対象の凹凸部分に様々な明暗が生まれているわけです。
特に以下のカルボウの絵は、カルボウ自身が生み出した炎という光源によって生じる複雑な陰影が巧みに表現されています

 

 

2. 雲の流れる躍動感のある背景描写


次に背景にも注目してみましょう。
ポケモンのイラストは小さい画面に背景を納めるという制約があり、各イラストレーターさんが様々な工夫をしています。


氏の場合は、逆魚眼パースの効果を使って背景を描くことで、背景を大きく描きつつ、ポケモンに焦点が当たるように工夫されています。
そして緻密に描かれた雄大な自然や情緒ある建物が臨場感を生み出しています。更には、流れるような雲がイラストに動きを感じさせてくれます。

なお、魚眼パース、逆魚眼パースの効果については以下をご参照ください

 

 

 

 

それと同時に先に指摘した光の表現により、その背景が美しく光り輝いています。
この背景と光の表現の組み合わせが最大限に発揮されたイラストが、以下のグレンアルマのARイラストです。

 

 

逆魚眼パースで描かれる、奥行きが深くて、どこまでも続くように見える街並み。
道の水たまりに映る青い空と白い雲。
虹色に光る風景。
そして光を受けて赤と黄色に輝き、ひと際目立つグレンアルマ。
本当に素晴らしいイラストです。

3. 豊かな表情のキャラクター

氏の描いたキャラクターのイラストは大変に人気があり、高額で取引されています。
キャラクター人気があることを差し引いても、氏の描くキャラの魅力が高いからでしょう

先に紹介したシロナの挑戦的な笑み、サカキの不敵な笑顔、スター団のしたっぱの陽気な笑い顔、TVレポーターのぐいぐい来る感じの営業スマイル。どのキャラクターも表情が実に良いです。

氏は雑誌イラストレーション 2021/3 でのインタビューで、お気に入りのカードとして「エール団のしたっぱ」を挙げています。
「推しのために元気に生きている様子が共感できる」「汗だく表現はやり過ぎたかな」などと語られています。

 

 

氏はキャラクタ-の内面に深く共感し、その内面を表情や動きに反映させて描くことで、彼らがどんなキャラクターであるのかを私達に伝えてくれます


凪水そう氏のオリジナル作品

凪水そう氏はマンガ家でもあり、最近まではバイクをテーマにした「ツーリンガール!」を描いていました。こちらも背景の光を感じさせる描写が優れています。

 

 

また、現在は「メタルマン花岡」という作品を連載されています。

 

 

絵柄は吉崎観音氏を連想させる可愛らしい萌え絵の系統になります。1枚絵であるイラストに必要な能力と読みやすいマンガに必要な能力は別ですが、氏はそのどちらも優れていることが分かります

pixivのイラストを見ると、等身の高いリアル寄りなイラストも上手であることが分かります。

 

 

ボーカロイドを描いたイラストは、氏の表現力の多様さを示しています