週末の金曜日、仕事の用事があって夜の空港に行きました。地方出張
から大阪に帰ってきた取引先の担当者さんに原稿を渡して、任務完了。
夜の空港は久しぶりだったので、1人でぶらぶらと散策。
金曜の夜の空港は、どこかドラマチックで、独特の雰囲気があります。
一週間ぶりで家族の待つ家に向かう、単身赴任のリーマン。受験生の
息子を抱えるパパってのも大変なんだろうなぁ。妻は息子が最優先で、
夫のことは二の次なんだろうし……。居場所あるのかな。
やっととれた休みを使って北海道に旅行するカップル。朝出発なんて
イヤ! 少しでも早く2人の時間に逃げ込みたいから、夜の便で飛ん
じゃおうよ……。彼女に甘えられて、気持ちはもう空の上。
「母危篤、すぐ帰れ」悲しい連絡を受けて、最終便に飛び乗ろうと慌
ただしく駆け付けた青年。大丈夫、落ち着いて! 母さんはきっと待
っててくれるから。最高の「ありがとう」を持って帰りなよ。
展望デッキに出てみると、滑走路の誘導灯が宝石みたいにキラキラ見
えて……。テイクオフポイントに向かってゆっくり移動している機体
がありました。並んだ窓から漏れる光。同じ数だけある人生。
たくさんの重い人生を乗せて走り出した機体は、フッと浮き上がって
濃い藍色の空に溶けていきました。知らない人を乗せた機影が、見え
なくなるまで見ていました。無事に目的地に着けますように。
金曜の夜の空港は、どこかドラマチックで、独特の雰囲気があります。


