マシュー・ボーンの『シンデレラ』を映像で観ました。


20年ぐらい前、それまでクラシックなバレエしか観たことなかったところにボーンの『スワンレイク』を観て激しく感動。
けれどそれ以降、娘と一緒に観たのも『くるみ割り人形』などスタンダードなものばかり、なのでこの『シンデレラ』も久々の衝撃…。

まず設定が1940年、第二次世界大戦下のロンドン、シンデレラが恋に落ちるのは王子じゃなくてPTSDに苦しむ空軍パイロット。
プロコフィエフのバレエ音楽『シンデレラ』をほぼそのまま使ったらしい、なのに何故か空襲のシーンにもしっかり馴染んでいて感心しきり。

ハッピーエンドだけれど、このシンデレラは玉の輿に乗るわけじゃない。
戦時下に、命があること、そして愛した人と生きていけることが、このシンデレラにとっての究極の幸せ、ってことなのかな。

ところでバレエは舞踏劇という意味で能楽に近いんだなと再確認した場面があり。
王子=恋人になったパイロットが、空襲で生き別れたシンデレラを探し歩く場面。
道ゆく人にからまれたり、哀れまれたり、それでも一心不乱にシンデレラを探す様子はお能の狂女物の、まさに“クルイ“でした。

ダンサーたちが揃いも揃って身体美含めて美形なのも、眼福であった♡