「ちゃんとやってよ。」
「いや、僕はこう聞いたと思ったので、こうしました。」
人と少しの言い合いになった。
その後の自分の思考は、
常に自分を正当化するよう、
脳がぐるんぐるん、頑張っていた。
「本来、あの人がこうしてくれれば良いの
だけれど、敢えてもうそこは良しとしよう。
次に同じことが起こらないためには、自分
はどうすればいいか。単にあの人の言葉
が聞き取れなかっただけだから、もう一回
丁寧に復唱しよう。さっきも復唱したけれど、
きっと聞き取ってくれなかっただけだろうし、
僕の落ち度はそこくらいだろうから。あの人
も大変だろうけど頑張ってるんだろうし、
ここは自分の中で許しておこう。よし。・・・」
そのあと、僕が、
「ではお先に失礼します。」
というと、
その人からは、
「お疲れさま~。 またよろしく。」 と。
その一言で、
さっきまで完璧に創りあげていた
四角いイメージの塊が、
一瞬で溶けていった。
なんだったんだ。
なんのためにあんなこと考えてたんだろう。
ほんの少しの自己嫌悪とともに、
そういえば以前どこかで作っておいた塊を
壊し始めた。
