「私、帰ります」とKさんが ステーションにやってきた。

Kさんは認知症がかなりすすみ、独居生活は難しいとのことで

入所されてきた。

 

「はい~、気を付けてお帰り下さい」 と

送り出せたらどんなに良いか・・・。

 

そんな時は、

「わかりました。でも、これからお夕飯なので、召し上がって下さいね」

→夕飯がお風呂だったり、リハビリだったり色々変わります。

 

「Kさん、今日はここに泊まる予定なんですよ、

帰るときには ご家族がお迎えに来ますからね」

→けっして嘘ではない。

 

「Kさんは今、病気の治療でここにいます。

ですから、よくなってから帰ります」

→嘘ではないけれど、それがいつになるかは、わかりません。

 

大体この様な感じで話していくと 話していたこと自体を忘れてしまいます。

しかし、また帰りたい気持ちになり、エンドレスに続くこともありますが、

それでも落ち着いてくれれば、よいのです。

 

時々、こんなもんじゃすまない時もあります。

怒り狂って、出口を探す。

ごはんなんかいらないから、帰りたい。

1人で帰れるから・・・。

 

騒ぎが大きくなると、他の入居者もざわついてくる・・・。

「私も帰ります!」とお仲間が増えてく

内服指示があれば飲んでほしいけれど、ここまでくると

たいてい飲んではくれません。

 

できる事と言えば、スタッフを代えて対応する。

少しそっとしておく(けれど見守りは継続。)

家族の許可がある人は、電話をかけさせてもらう。

他のことに興味を向ける。

 

でも、その場しのぎで解決はしない。

思い切って、スタッフや家族と自宅に行かせてあげたら

何か変わるだろうか・・・。