ある認知症の患者さん
帰宅願望がある
「これから急いで帰らなきゃ」
「お母さんに 早く帰って来てご飯の支度をしなさいって」

彼女は93歳 施設で生活しており
当然母親は亡くなっている

彼女は若い自分の頃に戻っているに違いない
彼女の世界を否定はしようとは 思わない
どんな思いなのか 話を聞く。

でも、私達 スタッフは業務に支障が出るからと「そうですね、でもこれから昼食ですから、一度席に戻りませんか?」と食堂に連れ戻す。

「そうですか?それじゃあいただきます」とそのときは落ち着くけれど、また繰り返す。

「嘘も方便」 「とにかく 気をそらせ」と指導を受けたこともあるが、本当にそれでよいのか。
ごまかしごまかし していく自分が嫌になってきた。