昔は日本のニキビ治療は世界標準から大きく遅れていて、菌を殺す薬の内服と塗布の一辺倒であとはイオウのローションで乾燥させるというような具合で、今は標準治療薬のひとつとなっているディフェリンが使えませんでした。

 

ディフェリンはビタミンAの仲間で、弱いピーリング作用があります。

 

皮膚の代謝を正常化させる作用ですね。

 

ディフェリンが登場する前は、ケミカルピーリングが、美容のクリニックで広く行われ、その効果に気づいた皮膚科の先生にも広く使われました。

 

しかしディフェリンが保険で使用できるようになったのですが、はじまった当初はなかなか皮膚科の先生も慣れていなかったようで、患者さんに『保険でディフェリンが使えるようになったからまずは保険診療を受けてみるのがいい』と説明して紹介しても、当の皮膚科では使用してもらえないというようなことがよくありました。

 

今では認知がすすみ、新たな薬も加わって、そうしたことはなくなりました。

 

皮膚科学会のニキビ治療ガイドライン

 

ただやはり保険診療ではニキビ跡のくぼみはなおせませんし、ニキビがひどい場合にはなかなかコントロールできないこともあると思います。

 

ひどいニキビの場合はビタミンAの薬の内服が効果があるのですが、国内では認可されておらず、様々な副作用があって使いやすい薬ではありませんので、難しいものがあります。

 

しかし治療方法の進化によって、機器を使った治療でにきびやニキビ跡をかなり治せるようになっています。

ただ美容専門クリニックでの自費診療では、治療費用は高額になりがちなので、標準治療で改善が見込めそうなケースは無理に当院での施術をおすすめせず、まずは保険診療での治療をおすすめすることもあります。

 

ニキビ治療希望で来院された方にまずは保険診療でのニキビ治療をおすすめするとポカンとした顔をされることがあるのですがそのような事情があります。

 

もちろん費用がかかってもいいというのであれば、より早く治せる方法はあります。