コロナコロナと言われる現状が続きますが、幸いにも私の地域は感染者が少なく落ち着いています。
とはいえまた感染者が増加していますし、今後このウイルスと付き合っていかなければいけないのでしょうから、治療法が確立されないとまだまだ怖いですね。
こういう混沌期には悲しいニュースが続いて気持ちが落ち込むことが多いですが、ニュースを見て感じたことをつらつらと書きたいと思います。
(って言っても書き始めてからだいぶ経ってしまったので、ちょっと内容的に古いかも)
まずは多くの著名人のSNSからの発信も取り上げられましたが、アメリカで黒人男性が取り押さえの際に警官に首を押さえつけられ亡くなった事件。
こういう「人種差別」の問題、日本人の差別の考え方だとなかなか理解が追い付かないんだろうなって思います。自分がまさにそうです。
日本人って外国の方がいると、好奇の目を向けたり、あるいは話しかけられたらどうしよう…みたいな恐れもあったり。
日本にやってきて働いている方を見ると、大変だなと思ったり、あるいは少し前に話題になった外国人雇用の問題を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。確かにこれも、外国人を「安価な労働力」と考えていることが問題だと思うけど…。
でもそういうのじゃないんですよね、きっと。
ホワイトとブラック(という言い方も何とも言えない…難しい…)の歴史の積み重ね。悲しいけれどそう簡単に変われるものじゃないんでしょう。私はもちろんイエローで、1人旅などでイエローだからこその差別にあったこともありますが、そういう目にあったとしてもどうもやっぱり頭の中が平和過ぎるんですよね…いい意味でも悪い意味でも。
亡くなった男性に犯罪歴があった、今回も犯罪を疑われていたということから彼自身も悪い、仕方ないという意見も目にしました。
でもこれも結局アメリカ国内で黒人という立場の人の方が生活が困窮している割合が大きく、そういう背景から治安が悪くなる、犯罪に走ってしまう…だからここまで大きな運動に発展しているのでしょう。
結構前ですが、アメリカ国内での新型コロナ感染者は、黒人やヒスパニック系の割合が多いというニュースも目にしたことがあります。スーパーのレジ等、人と接触する仕事に就いている割合が高かったり、あとはやはり住環境などもあるのでしょうか。
ただ一部の略奪行為などは別。それに政治的な思惑も重なっているとかで、本質や問題解決を探すのが難しくなってきてしまっています。今の時代どれが正しい情報か探すのも難しい。
平和的解決、というと夢見がちなのかもしれませんが、どこの国でもどんな人でも、自分のルーツで不当な扱いを受けることなく穏やかに暮らせる社会になりますように。
そんなことを頭の中で思い浮かべながらYouTubeを見ていたら、偶然巡りあって胸を打たれた曲がありました。
和なテイストの繊細な楽曲、初めて聴いたのですがすごく!!良い曲ですね。アレンジもいい。
堂本剛さんは中学校の部活で一番仲が良かった先輩が彼の大ファンだったり、大学の時色んなCDを交換していた友達が「剛の曲いいよ」とCDを貸してくれたり、ジャニよりサッカー選手!だった私にとっては珍しく馴染みのある人です…ってか世代ですよね、金田一とか。
その時借りたCDはちょっとUKロック感のある曲が多かった気がする。『ORIGINAL COLOR』と『PINK』が好きだったな。
彼の声や表現って昔はエレキギターみたいって思ってたけど、歳を重ねて穏やかになってきたのか今は二胡やチェロみたい。それにしても相変わらず歌が上手い、というか表現力がすごい。
私は普段曲を聴く時には、あまり歌詞を重要視しない傾向があるんです。どうしても歌い手の声や表現、そして演奏に耳が行きがちなんですが、すごく素敵な歌詞だなと思いました。
「眼や肌や心のいろはそれぞれでいい」とはっきり歌ってもいますが、その後の「引き寄せた陽と月と過去いま未来は素敵だろう」…ここ、すごく良くないですか?
自身のルーツや自分の故郷を大切に、誇りに思うことと、自分とは違う人や文化を尊重すること、愛することは出来ると思うんです。
そんなことをこの曲から感じました。
もう一つは、横田滋さんの訃報。
今の若い子たちってどれくらい北朝鮮による拉致のことを知っているんでしょうか?もちろん授業で学んだりすることはあると思いますが、実際肌で感じることってないんじゃないかな。
もちろん私も当時生まれていなかったので、肌で感じていないと言えばそうなんですが…。
私の母は、小さい頃「子どもには理解できないでしょ?」ってことを割と普通に話す人でした。例えば幼稚園生の頃、スーパーに買い物に行ってジャム売り場に行けば、「赤ちゃんにはちみつは食べさせちゃダメだからね」と言ったり…。
そして夏休みには家族で福井の海に行くことが多かったのですが、そこで毎年のように「夕方や夜は海に行っちゃダメだよ、今はもう無いと思うけど拉致されるかも」と言ったり…。
私は昔から割と記憶力が良い方なので、今となっては「ああ、こういうことか」と思うことがよくあります。
話は戻って肌で感じる世代ではない私にとっても、拉致被害者5人が日本に帰ってきたニュースはとても衝撃でした。飛行機から被害者の方々が降りてくる姿は今でも脳裏に焼き付いています。
横田夫妻は被害者の会の中で中心的なお二人で、元々メディアに取り上げられることも多かったので、その頃は頻繁にテレビでお見掛けしました。
そうはいってもあの頃は、ただニュースを鵜呑みにするだけだったんです。あれだけインパクトの強い出来事だったのに何も考えていなかった…と反省しました。活動に尽力してきたご家族の長い道程や苦しみに今回の件でようやく気付き、拉致問題について調べ直したりしました。
あの時代、SNSどころかインターネットもメールも無い時代です。自国も他国のことも限られた情報しか入ってこない時代に、被害者が集い、国に助けを求め運動を起こすことはどんなに大変だったでしょうか。横田さんは被害者の会の中心人物で、公演や署名活動など懸命に活動を続けられていました。
2002年に被害者の内の5人は帰ってこられましたが、横田さんは複雑な心境だったと思います。娘のめぐみさんは亡くなったと知らされ、その後遺骨を渡されたけれどDNA鑑定では一致しなかったり、お孫さんとお会いしたり…でも、めぐみさんには最期まで会えなかったんです。どんなに無念だったでしょうか。
横田早紀江さんと息子さん2人の会見で、息子さんが苦言を呈したことが話題になりましたが尤もだと思います。ましてや自分の父親の死を都合良く政治批判に利用されるなんて、当事者にとってたまらなく苦痛でしょう。
今回も拉致問題について報じたメディアは多いですが、あっという間に静かになりました。そういうところだと思います。
私の好きなヴァイオリニストの五嶋龍さんは、拉致問題を風化させないよう啓発する運動を行っています。
彼は「拉致問題は政治以前の人権問題、自分の国から子供たちをさらわれたら取り戻さなければいけないのは当たり前」と発言しています。
五嶋龍「自分の国の人が拉致されて終わることが考えられなかった」 被害者奪還へバイオリニストができること
私たちも、更に若い世代も、こういう問題をちゃんと考えなければいけないと、彼の行動を見て感じた次第です。