すこやかな肌のコンディションを保つためには、つねにビタミンAを補給することが必要です。補給には内側からと外側からの2つの方法があります。内側からの補給法は、ビタミンAを豊富に含む食品、たとえばニンジン、ほうれん草などの緑黄色野菜やレバー、うなぎ、バターなどを毎日の食生活でしっかり摂取すること。もう一つは、スキンケアによって皮膚へビタミンAを補給する「塗るケア」です。
口から補給されたビタミンAが肌に到達するまでには時間がかかり、さらに肌に届く量は摂取した量よりも少なくなってしまいます。
そのため、ビタミンAを肌に補給する方法としては、「食べる」ことももちろん大切ですが、より早く着実に肌に届けるためには、ビタミンAで肌のお手入れをする「塗るケア」が効果的です。
ビタミンAが不足すると肌のコンディションが低下するため、つねに補給することが大切です。そしてさらに、紫外線や外的ストレスから肌を守るためには、その他の「ビタミン」も重要です。ビタミンC、ベータカロチン、ビタミンEなどの各種ビタミンが、お互いに補い合って、受けたダメージをケアするだけでなく、ダメージを最小限にとどめるためにも必要となります。
「レチノイド反応」(通称「A反応」)。この⾔葉を聞いたことがありますか。これは、ビタミンAが不足している肌(新陳代謝の遅い眠っていた肌)に、急に多くのビタミンAを補給した時、肌の新陳代謝が促進されることで、まれに起こる反応のことです。これは一時的に、乾燥感や皮剥け、赤み、かゆみなどが生じます。
「レチノイド反応」は、毒性反応でもアレルギー反応でもありませんので、皮膚がビタミンAに慣れるに従い、自然におさまることがほとんどです。
「レチノイド反応が出るような、ビタミンAが不足している肌にこそ、ビタミンAを補うべきです。レチノイド反応が出ると最初はびっくりするかも知れませんが、落ちついた後にはとても肌の調子が良くなるのを実感していただけると思います ( 川添剛 先生)。」
ただし、実際にはビタミンA反応ではないこともあります。本当は他のことが原因で肌荒れが生じているにもかかわらず、自己診断でレチノイド反応と思いこんでいる方もいらっしゃいます。症状が強かったり、長引く場合は早めにビタミンAに詳しい医師に相談し、正しく自分の肌のことを理解しましょう。「これはA反応だから大丈夫」と思い込まずに、早めのご相談をおすすめします。
Aケア協会ではレチノイド反応に関わらず、ビタミンAを正しくスキンケアに活用するために、初めての方へは、ビタミンA専門家への相談を推奨しています。Aケア実践の第一歩として、まずはしっかりとカウンセリングを受けて、今のあなたの肌状態に合うスキンケアを⾒つけていきましょう。
レチノイド反応(通称「A反応」)は、ビタミンAが不⾜しているときにみられることが多いため、Aケアでは、肌の状態に応じてビタミンAのレベルを徐々に上げていく、ステップアップ方式のスキンケアをおすすめしています。効果を狙って、最初から高いレベルのビタミンAを用いたり、量を多く使用したりするのは好ましくなく、自分の肌状態に合わせたレベルのビタミンAを適量用いるのが美肌への一番の近道です。レチノイド反応をコントロールしながら、徐々にビタミンAを補っていくのがポイントと言えます。
突然フルマラソンに挑戦するのではなく、毎日のランニングから始めるように、段階的にビタミンAを蓄え、肌の⾃⼰再⽣⼒をアップさせていきましょう。
ビタミンAレベルの選び方が分からない場合には、専門家にご相談ください。
ビタミンAにはいくつか種類があります。肌が敏感な時や紫外線の強い時には、刺激が少なく紫外線から肌を「守る働き」の強いレチニルエステルという種類のビタミンAを選びましょう。肌の調子の良い時には、さらなる効果アップを目指して、ステップアップしたり、浸透の良い、プロピオン酸レチノール、酢酸レチノールやレチノールなどのビタミンAを追加したりしてみてください。
実は、これらのレチノールは、効果アップするだけではなく、肌の中でレチニルエステルという種類のビタミンAに変化し「守りの作用」も発揮してくれます。
同じビタミンAの中でも、レチノイン酸(トレチノイン)は、効果は強いですが、刺激も強く、肌を紫外線から守る働きはないので、使用時には厳重な紫外線対策と保湿が必要です。
「肌は季節や体調やライフスタイルなどによって日々変化します。肌の状態に合ったビタミンA選びも大切です。ビタミンAの選び方は、奥が深くて十分理解して用いれば、効果が感じられ楽しいのですが、とても難しかったりもします。専門家のカウンセリングで、ご自身にあったビタミンAの種類を見つけましょう ( 川添剛 先生 )。」