(side S)




会いたい、会いたい
きみに会いたい。

今すぐ、1分1秒でも早く。







きみに前のように会えなくなって、もうずいぶん経った。
元気そうな様子は、人づてに聞いてはいたけれど、
画面越しに見るきみはすっかり痩せて、
髭が伸びて…

『どうかなあ?』
て顎を撫でて笑うきみが、変わらず愛しくて、
たまらなかった。




会えない時間が愛を育てる、なんて昔の人は言うけれど、
いや、だからこそ、
この時期をなんとか乗り越えて、、
なんて思いながら過ごす日々。



今日、後輩に見せてもらった画像のきみを見て、
もういてもたってもいられなくて。




タクシーは今日もテールランプの間ををすり抜けるように進み、
それなのになかなか辿り着かないように思えて、
歯痒くて爪の先を噛む。




ああ、会いたい。
はやく、
早くきみに。

















(side N)


玄関のロックを解除したのと同時くらいにきみは
そのドアを開けて俺の部屋の中に飛び込んできて、

そのまま俺をその胸の中に閉じ込めた。




「ああ、やっと会えた……」

「ふふ、どーしたの」


笑う俺の頬を両手で包んで、


「ああ、これこれ……これだよなあ」

って。

すりすり、って頬を撫でる。




「なによだから」

「いや、髭のニノももちろんかっこよくて似合ってたんだけどさ……、やっぱりこのツルスベもち肌だよなあ〜」

「ふふふ、なんなの」

「だって今日風磨に見せてもらった画像のニノの髭が!あっ、無え!って思ったらもういてもたってもいられなくて……あー、ニノの顔触りてえ!って」

「顔って!」

「あーー、つるつるーー。もちもちーーー。癒やされるーーー。」


思うままに伸ばされたりつままれたりして、されるがまま。
おっかしくて笑えてきた。


「もう、なんなのよ……」

「ニノ、会いたかった……触りたかった」

「会ったでしょうよ、何度か」

「足りねえよ、何度かじゃ」



たしかに会う頻度は減ったけどさ。


「大事なのは量より質でしょ。我々ぐらいになるとさ」


触るの、ほっぺだけでいいの?
って囁けば、

じゃあ、質の向上目指しましょうか?ってニヤリと笑って、

唇にそっとキスをされた。








会いたくて、会いたくて、
ずっと思ってたのは俺も同じ。
むしろきみよりも多かったかもよ?





リモートだったりメールだったり、
いろんな形で繋がれる便利な世の中だけどさ、
やっぱり実際のぬくもり込みでの繋がりが一番だなって、
ほんとにそう思うよね。







キスをしたままベッドに転がり込んで、
質の高い時間を過ごせた。



また、お互い頑張れるよね。
同じ時を過ごせるその日まで。


















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今書いた。書いて出し。笑




櫻井翔さまお誕生日おめでとうございます!
笑顔あふれる毎日でありますように。