こんにちは、蛍です。
いつも楽しく拝見させてもらっていた企画、
今回初めて勇気をだして参加させていただきました!
ちょっとした小話(しかももうみんなこすり倒しているだろうド定番ネタ)ですが、
箸休めにでもご覧いただけたら、嬉しいです。
(side A)
がちゃ、って玄関の開く音と、ただいまー、て声。
翔ちゃんが帰ってきた!
昼間は一緒の仕事だったけど、夜はまた別々で、オレはひと足早く翔ちゃんちに先についてて、
合鍵で待たせてもらってたんだ。
やっぱり、おかえりって言いたいよね。くふふ。
手に持った袋をガサガサいわせながら、ドサッとソファーの前のローテーブルに置く。
今日もすげえ暑かったよな、とかなんとか言ってるのに、うんうんて返事しながら袋を覗けば、
「なにこれ!すっごい!」
「懐かしくね?!」
て、ドヤ顔で。
袋の中には山ほどのお菓子。
なんでも、ロケの途中で駄菓子屋を発見したんだって。
懐かしくて見てたら、ついついたくさん買っちゃったとか……。
「もう、こんな時間に……太るよ?」て笑えば、
「ちゃんと運動するからいいんですー。さ、食お!」
て、ウキウキしてる、
その顔が可愛くてもっと笑っちゃう。
袋を逆さにしてドサドサっと中身を出せば、懐かしい甘いお菓子がたくさん。
たしかに意外と甘いもの好きだったりするのは知ってたけど、こんなにたくさん?
見るとちっちゃい頃食ってたみたいなお菓子ばっかりでたしかに懐かしい。
ふ菓子、ねりあめ、きなこ棒、紐がついた飴やちっちゃいプリンやヨーグルトみたいの、ジュースの絵の書いてある粉とかタバコの形のやつとかさ。見てるだけでも面白い。
翔ちゃんは鼻歌を歌いながらご機嫌でお菓子を選んでは、はい!雅紀、って半分くれて。
久しぶりに食べたらすんごい甘くて、その甘さにふたりでびっくりして、顔を見合わせて笑う。
「なんか、スイーツ部ぅ、みたい」
ひゃは、て笑ったら、ぴた、て翔ちゃんが止まった。
「え?マジ?そういうつもり?」
「……。」
じりじりとにじり寄ってピッタリと隣につく。
顔をのぞき込んだら、なんとなく頬が赤い気がした。
「え?なに、スイーツ部ごっこ?」
「いや、そういうわけじゃ」
「したかったの?」
「だって…すげえ楽しそうだったから……ニノと……」
「ん?」
「なんか……膝枕とかしちゃってさ……」
うつむいて上目遣いでなんかボソボソ言ってて、
え?え?もしかして翔ちゃん、
「ヤキモチやいてんの?」
「いや、ヤキモチっつーかさ、なんかいいなー、みたいな、俺も雅紀とイチャイチャお菓子食いてーな、みたいなさ、なんでニノばっかり、っていうかニノ、スイーツ部じゃねえじゃん、なのにさ、」
「妬いてんじゃん」
うっ、て言葉に詰まる翔ちゃんが可愛くて、ぎゅうっと抱きついた。
「翔ちゃんかわいい!」
「かわいかねーよ」
抱きついたまま翔ちゃんの首元に囁けば、ふてくされたみたいな声が前髪にかかる。
こんなことでヤキモチ妬くとか、可愛すぎるじゃん。
だって相手ニノだよ?
兄弟みたいなもんじゃん。
言ってんだけどさ、『お前らの特別感半端ねーよ』とか言うの。
くふふ。
しばらく抱き合いながら頭撫でられてたら、翔ちゃんがモゾモゾって体をひねって、
「ほんとはこれ、見つけてさ……雅紀に、と思って…」
て、手を差し出した。
手の中には、懐かしい飴。
指輪の形の……。
「あ、ごめん、外した…?」
びっくりして固まってたら慌てて引っ込めようとするのを必死で止めて。
「すっごい嬉しい!」
て笑った。
約束のできないオレたちの、約束の証。
舐めちゃえば溶けてなくなっちゃうけど、でもこうしてもらったことは忘れないから。
オレの指に、ぎゅうっとはまった飴の指輪。
ぺろんて舐めたらすっごく甘くて。
オレたちはそのまま、甘い甘いキスをした。
(おしまい)
_________
今更ですがスイーツ部で……。
推しCPは本当は磁石でして、
このお話も磁石で書いており、書き終えたんですけどね、
どうしてもジュエルリングを渡すところがニノだとほら、なんかいろいろ思い出しちゃうというか無理があるというかほら、ね?
って何回読み返してもモヤモヤしてしまったもので、
急遽櫻葉に変わっていただきました。
わたくし、好きCPは、磁石、櫻葉、翔潤、なものですから、喜んで書きました。笑
もうすっかりお話を書く気力が衰えており、
カッスカスの萌え脳をがんばって絞り出したもので、
クオリティその他はご容赦いただいて……(だめじゃん)
それでも、参加できて嬉しいです。
これから、皆さんのお部屋を回るのがとても楽しみです。
ありがとうございました!
蛍