ニノは、当たり前みたいにオレの移動車に乗り込んで、当たり前みたいにオレんちまでついてきた。



あれ、これ、オレんちだったよな…?って確認したくなるくらい、自然に、
ニノはポケットから鍵を取り出して、ドアを開けた。




「ん?どーしたの、入んないの?」



「え?あ、うん…」



先に家に入ったニノは、勝手知ったる、って感じでスタスタとリビングへ行って、ソファーにころんと寝転がった。

手すりを枕にして、軽く膝を立ててる。



「あー、つかれちゃった」



気だるげに微笑むニノの、白い顔を見ていたら、そういえばこないだもここでこうやって寝転がってたな、なんてことを思い出した。



あのときは…、そう、久しぶりにニノがうちに泊まりに来て。


ニノのドラマの撮休のときだったかな。


なかなかふたりきりで会えなかったから、
そんで久しぶりだったのもあってさ…、ついつい、ソファーで盛り上がっちゃって。


ベッドに行く間も惜しんで、頑張っちゃってさ…。


あのときの、ニノの、オレを見る濡れた目…
色づいた肌…



そんなことまで思い出しちゃって。


ニヤニヤしそうになった口元を片手で押さえて隠す。
ニノにからかわれちゃうもんな。




そんなふうに考えて、ソファーに横になる恋人を見ると、
真っ白な顔で目を閉じていた。







.