はじめてのニノと向かい合うにあたり、俺は、はじめてのことをしっかり勉強した。




つまり、男同士の……そういうこと。




今時はネットですぐそういう情報も手に入る。


それこそ、動画だってすぐだ。






勢いに任せて事に及んで、ニノを怪我させてしまったり、嫌な思いをさせることは避けたかった。




だから…自分なりに勉強して…
それから、ゲ イの友達たちと飲んだときに、向こうが話しているセキララな内容を、興味ないふりでバッチリ聞いたりもした。








全ては、このときのために。







少しでもニノの気持ちを和らげたくて、背中に回した手でそっとさすった。







おでこに、頬に、瞼に、キスを落とす。


俺だって緊張しているんだ…。








ぎゅっと握ったままのニノの手の、指一本一本に優しく唇を当てて、開かせる。
大丈夫、大丈夫だから…
そんな気持ちを込めて。






ちょっと汗ばんだ手のひらをペロッと舐めたら、ニノがさらに真っ赤になった。







「ま、待って!翔さん、俺……俺、風呂、入りたい!」


「そんなの、あとでいいじゃん……」


「やだ!無理!シャワーだけでいいから!」





本当は……もう、1分1秒だって離れたくないけど、渋々うなづく。
無理は禁物。焦りは禁物。



俺の下から抜け出てさっさとバスルームへ駆け込むニノの後ろ姿を見送った。








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