こんにちは、蛍です。
拙作、『bless this love』『close to the night』のメインcpの、初めての夜のお話です。
あちらはノンフラグなお話でしたので、飛ばしていたところを書いてみました、ってやつです。
すごく…すごく恥ずかしいです!
超初期のものだし、
なんども、「はっ!わたしはいま何を書いているんだ!」と我にかえっては身悶えて恥ずかしがりつつ、夜中のテンションで書いたものです…。
どうぞ、生暖かく大きな広い心を持ってご覧ください。
時間軸としては、『close to the night 43』のところです。
もしもお時間とお暇とご興味がありましたら、そちらもぜひ読んでやってください。
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(side S)
「翔さんが、好きだよ……」
ニノが俺の頬に触れて、そのヒヤリとした感触に、自分が涙を流しているんだってわかった。
俺の不甲斐なさでニノを傷つけて。
伝えていたつもりの想いが届かないくらいの傷をつけてしまった。
だから……
どうしても届けたかったんだ。
俺の、本気を。
ニノが俺に、優しいキスをする。
ふわっと重なる唇は、冷たくて、温かい。
ニノと俺の涙が混じりあって、冷たいけれど、だけど、触れたそこからあったかさがじんわりと滲み出てくるというか。
言葉だけでは伝わらない想いが……重なった唇から直接、入ってくる。
そっと、離れて…ニノが、俺を見た。
目が合う。
ニノの潤みきった瞳が俺を見る。
目のふちが赤い。
いつ見ても潤んだような瞳は、俺を無力にさせる。
俺よりも少し背の低いニノがその瞳で見上げるだけで、何かの魔力に取り憑かれたように、目が離せなくなるんだ。
今度は俺から、唇を奪う。
角度を変えて、深く、深く……。
少しでもいい、こいつを俺のものにしたい……。
征服欲のようなものが滲み出てきて、俺は、夢中になってニノの唇を貪った。
「ん……、ふ……、んん……」
漏れるニノの吐息が、重なった唇から口内に入ってくるのを感じていた。
唇を重ねたまま、強く抱きしめる。
もう離れていかないように。
少しの隙間も許せないくらいに。
「ニノ……。
ニノ、好きだ……」
言葉にしたら、思いが溢れて、胸が苦しくなった。
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