「な……んで……?」
今聞いた言葉が、信じられなかった。
今、なんて言った?どうして、そうなる?
俺は、まーの肩を掴んで、揺さぶるようにして言った。
「なんで?!どうしてだよ!何がどうして、そうなるんだよ?!」
何も言わないまーを、強く抱きしめる。
「なあ、まー……冗談だろ?なんで急に…」
「元に戻したいんだよ、全部…。オレ達が付き合う前に、元のオレ達に戻したいんだ。
そうしたら…元に戻せたら、みんな笑顔でいられるんだ…!」
「お前…何言ってんだよ!どういう意味だよ?
俺は…お前が好きなんだ。もう、元になんか戻れない。戻したくない!」
「だけど…戻したいんだよ…」
意味がわからない。なんで急にそうなる?
嫌だ、嫌だ、まーは俺のもんだ。
離したくない!
頭がカッとなった。
もしかしたら、結構酔っていたのかもしれない。
俺は、そのままソファーにまーを……押し倒した。
強引に唇を奪う。
閉じているまーの唇を無理矢理こじ開けて、舌をねじ込んだ。
歯列を辿って…逃げる舌を追いかけた。
まーの両手は俺の背中をドンドンと叩いて抵抗している。
しばらくすると苦しくなったのか、力が抜けた。
シャツの裾から手を入れて、素肌を撫でる。
唇を離してそのまま、首筋に顔を埋めたら、
まーはビクッとなって、俺の胸を押し返した。
「やだ!潤くん、なにすんだよ!やめろよ!」
俺は、それにも答えずに黙ったまま行為を続けた…。
「潤くん、やだ、やだよ…こんなの…!」
抵抗する声が震えている。
はっとしてまーの顔を見ると…まーは、顔中を涙で濡らしていた。
その顔に、がつんと頭を殴られたような気分になった…。
「まー……俺」
「潤くん…サイテーだよ…!」
涙声でそう言ったまーは、そのまま家を飛び出していった。
俺は…ソファーにうずくまったまま、動けなかった…。
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