《side N》





俺が蒔いた種は、俺がなんとかしなきゃいけない。



最近は、個人の仕事が増えたとは言っても、
それに5人の仕事も、2本、3本とまとめ撮りが多くて必然的に会うのも少なくなってるとは言っても、
それでも5人の楽屋は…なんとなくピリピリしてる。



相葉さんは、俺とも、潤くんとも距離を置いてるみたいだ。
いつもリーダーや、翔さんにべったりくっついて話をしている。

俺とぎこちなくなるのはわかるよ?でも、なんで潤くんまで…。
大方、「ニノに申し訳ないよ、オレだけ幸せになれないよ」みたいな事考えてんでしょ。



アイツの性格をわかっていて先走った俺のせいだ。
だから俺は…。俺が、なんとかしなくちゃ。















あの日以来の相葉さんち。

俺は、イライラしながらインターホンを連打していた。

早く出ろよ…。居るのはわかってんだぞ…。




連打すること数分、
やっとロックが解除されて、部屋の前へ。
そこでもインターホン連打、しようとしたらその前にドアが開いた。



「何だよニノ…うるせーんだよ…」

渋々といった感じで招き入れた相葉さんの目は、泣き腫らして真っ赤だ。
アンタ、どんだけ泣くんだよ。
仕事に影響するでしょーが…。



なんて、俺が元凶なのに、よく言うよって感じだよな。

 

部屋に入っていつもの場所に座って、相葉さんが、「なんか飲む…?」って聞くのを手で押しとどめて、俺は、頭を下げた。


「相葉さん、ごめん!」

「ニノ、」

「俺が、あんな事言ったせいで、相葉さん、悩んでんだろ?
ホント、ごめん!」

「ニノ…」

「俺、ホント、自分勝手だった!
自分の気持ち、押し付けて…アンタの気持ち、考えずに。
あんな事言われたら…アンタ、悩むってわかってるはずなのに…
俺、自分のことでいっぱいいっぱいで、そこまでアタマ回んなかった。

ホント、ごめん!


俺のことは、考えなくていいからさ。
だから、アンタは潤くんと……仲良くしててよ。
そうじゃなきゃ…俺の気持ちも、報われないでしょ?」





辛くないっていったら、嘘になる。
でも、これも、俺の本当の気持ちなんだ。






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