その後、目を覚まして涙を流すニノを、そっと抱きしめてしまったのは…シャワーでは酔いが冷めなかったということなのか…。
酔っていることを言い訳にして、覚えてない事にして、俺は、逃げたんだ。
そして、その想いを再びしまい込んだ。





筈だったのに。





こんな夜中に、慌てて駆けつけてくれた、ニノ。
マネージャーのメールもちゃんと読まずに、必死で…。家に帰ったらちょっとやそっとじゃ家から出ないニノが。

俺の、為に。

そう思ったら…愛しくて。
勘違いに気づいて真っ赤になった姿が、可愛くて。
抱きしめたくなって。
手を、伸ばしかけて。
思い出した。



相葉くんが病気で入院したときの、ニノの様子を。
今の比じゃなく動揺して、ニノまで倒れちゃうんじゃないかって…。
そうだ。
俺の為、なんて。
勘違いするな。
ニノは、優しい男だ。
あの時の相葉くんを思い出して、メンバーである俺を心配してくれたんだ。
相葉くんを…重ねて。
いつでも、アイツの中心は、相葉くんなんだ。
そうなんだ…。




俺は、伸ばしかけた手を、下ろした。




この胸の痛みも、いつか消える。
俺は、それを、じっと待つしかない。
それが、アイツの為でもあるんだ。
アイツの困った顔なんて、見たくない。
アイツには、いつも笑顔でいて欲しいんだ…。
今度こそこの想いは、封印しなくちゃいけない。
俺は、ため息をついて目を閉じた。