ま、ひとりの仕事がいくら増えたと言っても、必ず5人一緒の仕事は巡ってくるわけで。


今日は5人のレギュラー番組の収録日。
まあ、まだ2人っきりじゃないからいいか…
できるだけ関わらないようにしていれば…


「おはよー、ニノ!」

楽屋のドアを開けようとドアノブに手を伸ばしたら、ぽん、と肩を叩かれた。



「うわあっ!!ビックリした!!」


「わあっ!こっちこそ、ビックリしたー!!」


「なんだよ、相葉さんか…」


「なんだよはないだろー?!おはよ!入らないの?」


「入るよ、入るとこだったのにアンタが急に驚かしてきたんでしょうが!」


「驚かしてなんかないでしょー?勝手にニノが驚いたんでしょー?ほら、入るよ!」



ドアを大きく開けて、おはよーって入ってく。
俺も、相葉さんの背中に隠れながら楽屋に入った。
楽屋には、みんな揃ってた。
ソファーから滑り落ちそうなくらいよりかかってスマホをいじるリーダー。
コンサートの資料かな?パソコン開いてにらめっこしてる潤くん。
それと…いくつも新聞並べて読んでる、翔さん。




どうしよう…。
うちはさ、レギュラー番組の楽屋はいつの間にか座るとこ決まってるからさ、基本、翔さんと隣なんだよね…。
大丈夫かな…。不自然にならないように…。自然に…自然に…。


「おはよ、ニノ」


びっくう!!


「おお…どした?」


翔さん…いつも通り。
記憶がないって、ホントみたい、かな。

だけどなー。
なーんか、緊張する…。
気のせいかな。俺の左側から、圧を感じるのは…。


「ニノ、珍しいね!今日ゲームしないの?」


向かいのソファーから相葉さんが言う。


「あ、する、しますよ、えっと…」


カバンをあさる。
そう言えば、このカバンも翔さんから貰ったやつ…。


「ニノ、耳、真っ赤~」


大野さんがのんきに言って俺の耳を触った。


「ひゃっ!」


「んふふ」


「何するんすか!もう!」


「ニノ、熱でもある?早めに薬飲んどくか?」


松本薬局こと潤くんが心配そうに俺を見てる。

やばい、やばい、マジでやばい。


「俺!タバコ!」


慌てて立ち上がって楽屋を出た。