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明け方近くまで、眠れずにウダウダと昔のことを考えたりして。
少しウトウトしたくらいで、案の定、寝不足。
俺もなかなか、未練たらたらだわな。


ぼーっとしながら、寝たか寝なかったかわかんないような感じで起きてきたら、テーブルの上に相葉さんの置き手紙があった。



『今日もロケだから先に出ます!
今度会うときは話聞くからな。それまでに元気出しとけよ!』



メッセージと一緒に、ニッコリマーク。

なんだよ、これ。クスッ、と自然と笑いが出る。

ロケって…結構朝早かったんじゃねーの?
なのにわざわざ来てくれて。
俺が、元気なさそうだったからって。

しかも、話したくない俺の様子を見て無理に聞き出そうとなんかしないでさ。


ホント、あの人は…。


こういう時、やっぱり思う。

あの人のこと、好きだなあ…ってさ。

そして俺は、縛られる。

後にも先にも動けなくなって…立ちすくむんだ。








午後から仕事。今日は雑誌の取材が何本か。
取材の場所まで歩いていると、向こうから見慣れた濃い顔のイケメンがオーラ全開で歩いてきた。


「おう、ニノ。」


すっと手を上げる仕草も、様になってるよなぁ~。

潤くんは、サッと俺に近づいて言った。


「ニノ、大丈夫?具合悪いんだって?
元気ないみたいってまぁが言ってたから。
ちょっと待って。」


そう言って、カバンからマグボトルを取り出す。


「これ、スープ。作ったから。元気出るぜ?」


「え…」


「どうせ、ゲームばっかりしてて同じもん食ってんだろ?
栄養偏ってんだよ。これ、ヘルシーだけどバランス取れてるから。な。」



そう言って俺の手にマグボトルを押し付ける。


「じゃ、次の仕事行ってくるわ。またな、ニノ」


世の中の女の子全員が倒れちゃいそうな笑顔を残して、風のように去っていった。


手の中のマグボトルを見る。

潤くん…。



見た目や、役のイメージから、怖いみたいなイメージだった事もあったけど。
ホントにイイヤツなんだ。
面倒見も良くて。
意外と、可愛いところもあって。


俺、潤くんも大好きなんだ。
大事な仲間だ。



いっそのこと、すげえやなヤツだったら…。
大ッ嫌いなやつだったら、良かったのに。
そうしたら俺は、遠慮なく奪いに行くのに。




だけど…。



ふたりの笑顔が頭に浮かぶ。



2人とも、大切なんだ。




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