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夢を見た。

5人の楽屋で、俺は、いつものように相葉さんの隣に行こうとする。

「相葉さ…」

見ると、相葉さんは潤くんと抱き合っていた。

「なに、ニノ。邪魔しないでくれる?」

「いいじゃん、見たいなら、見せてやれば…」

「潤くん…」

ふたりは見つめあって…キスをした。情熱的な…深いキス。
俺は、見ていられなくて目をそらした。

「ニノ、どうして目をそらすの?もっと見てよ、オレ達の愛し合う様子を…」


やめろ、やめろ、やめろ!!

見たくない、見たくないんだ!だって、俺は、相葉さんが…!!









「……っ、はっ……!!」

目を開ける。
見覚えのない天井…。
知らないベッド。
手で顔を触ると、涙を流していた。
頭が痛い。
ここ…どこだろ。
上半身を起こしてキョロキョロしていると、ドアが開いた。


「ニノ、起きた?」


「翔さん…」


「いいよ、寝てろよ。
お前、酔っ払って寝ちゃったんだ。
ニノんち知らないから俺んちに連れてきちゃった。
明日、早い?」


「明日は…昼から。」


「そか。」


翔さんは、優しく笑って、俺が寝ているベッドに腰掛けた。


「泣いてた…?」


そう言って、涙を拭うように頬を触る。


「相葉くんのこと…考えてた?」


ハッとして翔さんを見る。


「はは…なんで?そんなこと、」


「うなされてた。相葉くんのこと、呼んでた。
ニノ、相葉くんのこと…好きなんでしょ?」


「ハ、ハハッ。なんだよ、それ、そんなわけないじゃん。
だって相葉さんは潤くんと、」


「わかってる。無理するなよ。ニノ。
わかるよ…俺も、お前の気持ち、わかる。
俺も、一緒だから…。」


辛そうな、泣きそうな顔をした翔さんが、言う。


「え…まさか、もしかして、翔さん…」

潤くんを…



翔さんは、何も言わずに、悲しく笑った。


そして。
そのまま、俺の頭を引き寄せた。
ドクン、ドクンと翔さんの鼓動の音が聴こえる。


「……寝な?」


翔さんの手が、俺の頭を優しく、優しく撫でる。
酔いと、翔さんのぬくもりと、手の優しさと、鼓動と、、俺は、いつの間にかそのままもう1度、眠っていた。



今度は、嫌な夢は見なかった。







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