前置き:
長ったらしい名前にしてしまったのでsky名義でコメントしていた者です。
アメブロを始めたのは野良猫エサやり等の不適切な行動を取る人間に物申したかったから。そして正論を言っている人に賛同の意を表したかったから。それで登録しただけです。
なので何かを主張したいだとか記事を書きたいだとかそういう動機はあまり無いです。
かといって何も書かないままだとコメント先の方のサブ垢だとか自演だとか思われて迷惑をかけてしまうようなことがあっても嫌だなあとふと思ったので最近思うことでも書いてみようかと思います。
さて、世の中「殺処分をゼロに」とか「地域猫を推進しましょう」とか、一見もっともらしいことを唱えている方々がいます。
でも詳しくその人たちの主張や避妊去勢実績等を見ていくと疑問点が次々に浮かんでくる…残念ながらそういった方々が少なからず存在するように見受けられます。
たとえば、殺処分のそもそもの原因であるとか、地域猫のそもそもの定義や目的だとか。
そういったものを履き違えていると感じられる方がいます。
問題を解決しようと取り組むのは大変結構なことです。でも病気に例えるならば問題の原因を「誤診」していたら講じた対処や飲ませた薬が効果がなかったり、あるいは逆効果になったりもするのではないでしょうか。
兎にも角にも何か問題を解決するには、問題と原因を客観的に観察し、そして様々な角度や立場から検討し、その上で合理的な対処をすべきです。
感情は最初のきっかけになるものでしょうが、安易な拡散希望に乗るといったような感情のみに基づいた行動は危険です。
たとえば「殺処分問題」
殺処分ゼロ、結構なことです。それでは殺処分のそもそもの原因は何でしょうか。
環境省の統計によると、大半は飼い主のいない幼齢個体となっています。
幼齢個体というのは「幼齢の個体とは主に離乳していない個体を示す。」とあります。
犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
また環境省はこのようにも述べています。
「(自治体に引き取られる猫の)ほとんどは飼い主のいない猫(ノラ猫)や外飼いの猫が産んだものです。」
「猫を不妊去勢しないで屋外で飼うことや、ノラ猫に安易に餌を与えることが、殺処分をふやしているというのが現状です。」
『ふやさないのも愛』p.6
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2706h/pdf/full.pdf
つまり殺処分される猫の大部分は「無責任な人間が放し飼いやエサやりによって生ませた、離乳もしていない子猫」となります。
これだけを見ても、よくある「殺処分ゼロのためにペットショップを規制しろ」と言ったような批判や主張は論理の飛躍した主張であると言えるのではないかと思います。
離乳前のペットはペットショップで売ることが出来るのでしょうか。仮に買えたとしてそんなにすぐ捨てるのでしょうか。その積み重ねが殺処分の大半を占める程になるのでしょうか。
仮に殺処分ゼロと主張するのであれば、「ペットショップを規制しろ」ではなく「不妊去勢をせずに屋外で飼うことを規制しろ、ノラ猫に安易に餌を与えることを規制しろ」
まずこうなるのが順番としては自然なのではないでしょうか。なんせ数からして最大の原因なのですから。
簡単な順番をすっ飛ばしてペットショップを批判する。そういう飛躍した主張をされる方には何か裏があるのでは…そんなことすら思ってしまいます。
tokyo zeroキャンペーンも真っ先にペット業界の闇が云々と言っていますね。
なぜ殺処分最大の原因「放し飼い、エサやり」をすっ飛ばしてペット業界の適正化なのでしょうか。浅学非才の身には考えが及びません。
話は逸れますが一応書いておきます。私はもちろんペットショップが真っ白とも思っていません。
中には悪徳業者もいるでしょう。でもそれについては、(なぜか)動物愛護先進国と言われているイギリスやドイツのような国でも同じようです。
ただここで言いたいのはペットショップが良い悪いではなく、あくまでも殺処分の解決には最大の原因から取り組むべきではないかということです。
殺処分問題については感情論やイメージではなく、まずは客観的事実に基づいて一番大きな問題である「放し飼い、エサやり」の問題から解決に取り組むべきではないのでしょうか。
そして「地域猫」
環境省の定義、目的は以下のようになっているようです。
「地域猫活動は地域住民と飼い主のいない猫との共生をめざし、不妊去勢手術を行ったり、新しい飼い主を探して飼い猫にしていくことで、将来的に飼い主のいない猫をなくしていくことを目的としています。」
住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン p.16
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2202.pdf
ここに述べられている定義、目的ではなく、「地域で猫をかわいがる」などと違う目的にすり替わってしまっている方は少なくないのではないでしょうか。
地域猫ブログ等で収支を拝見すると避妊去勢代よりエサ代の方が多くなっていたりなんて方はよく見かけますが、それでは頭数が減らないとして何の不思議もありません。
地域猫の概念は2005年に横浜市の獣医職員が提唱したとされています。
10年以上が経過しましたが、避妊去勢を徹底して地域猫の目的を完遂した(飼い主の居ない猫=野良猫をなくした)ような事例は寡聞にして存じておりません。
一度立ち止まってやり方を見直すことや目的を再度周知するといったことも必要なのではないのでしょうか。PDCAサイクルなんて言いますよね。
また、猫の繁殖力は1年で20匹、2年で80匹、3年で2000匹とまで言われています。
「捨てず 増やさず 飼うなら一生」p.5
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2706f/pdf/full.pdf
この繁殖力を考慮すると一部に避妊去勢手術したところでまさに焼け石に水、いつまで経っても飼い主の居ない猫=野良猫はいなくならないでしょう。
私自身は仮に地域で避妊去勢を全頭に施したとしても、他地域からの流入や遺棄からの繁殖を防ぐ有効手段は無いと考えておりますので、地域猫には賛同しかねる立場です。
登録制の導入、エサやりや放し飼いの規制とセットでなんとかお話になるレベルかなとは思いますが。全国一斉に避妊去勢というのも荒唐無稽でしょうしね。
他にも野生生物への被害等の理由もありますが、少し話が逸れるのでここでは触れません。
繁殖力などこれらの話について机上の空論だと言われる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
ですが私としては流入や遺棄という問題に根本的な解決策を講じられない地域猫こそ机上の空論ではないかと疑問に思っております。
あの過激な愛護団体PETAの中の人でさえ「TNRは猫にとっても他の動物にとっても危険」「リリースではなく遺棄と呼ぶのが相応しい」「世話する者がいることによってその場所での遺棄が促進される」などと言及しています。
http://voices.nationalgeographic.com/2017/03/08/tnr-is-dangerous-both-to-cats-and-to-other-animals/
長くなってしまったので最後にひとつ。
私は動物愛護管理法や鳥獣保護管理法といった動物に関わる法律を尊重しております。
私もペットを飼っていますし、彼らは犬猫であれ鳥類爬虫類両生類であれ何であれ、人間の大事なパートナーです。
だからこそ、動物に関わる無責任な行為や、動物を口実に金銭を集めたり他者を責め立てたりするような行為に対しては声を上げたいと思い、こういったことを書き連ねております。
かわいいだけ権利だけでなく、飼い主として地域社会の一員として他者を尊重し責任を持つ。
そんなに難しいことではないと思うのですが…世の中そううまくはいかないものなのでしょうね。