前回、前々回では労使協定方式における賃金の決定作業について解説してみましたが、

・賃金以外の待遇

についても同一労働同一賃金の対象とされていますので、今回はその部分についてご説明します。

 

均等均衡方式の場合は、すべての待遇を派遣先の正社員等と比較し均等均衡を図る方法でしたが、労使協定方式の場合は、待遇により比較相手が異なります。

待遇は以下の3つに分けられます。

 

1.賃金          ⇔ 世間一般の正社員のデータ

2.賃金以外① ⇔ 派遣の正社員等

3.賃金以外② ⇔ 派遣の正社員等

 

3つの待遇を具体的に挙げます。

 

賃金

派遣社員の同一労働同一賃金③  の

基本給・賞与、通勤手当、退職金

 

賃金以外①

「賃金」「賃金以外②」以外の福利厚生

教育訓練、安全管理

(例)転勤者用社宅、慶弔休暇、病気休暇

   法定外の有給休暇

   健康診断時の勤務免除・有給の保障

 

賃金以外②

福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)

業務に関連する教育訓練

 

以上が、法改正の対象となる待遇です。

改正法が施行となる4月1日以降は、これらのすべての待遇について不合理な差が認めれれません。

 

待遇がまったく変わらないけど、どうして?

時給は50円だけ上がったけど何の額?

 

という方は、派遣会社が説明義務を果たしていない可能性があります。

 

派遣会社は、雇入れ時(雇用契約締結)と派遣時に派遣社員に対して、「一定の労働条件の明示」と「不合理な待遇差を解消するための取組みの説明」する義務があります。

 

明示されるべき「一定の労働条件」をまとめておきますので、派遣会社から配布される4月1日以降分の書類を確認してみましょう。

 

均等均衡方式

 ・賃金の決定等に関する事項 

 ・昇給の有無

 ・退職手当の有無

 ・賞与の有無

 ・休暇に関する事項

 ・労使協定の対象となる派遣社員であるか

       否か

 ・派遣社員から申出を受けた苦情の処理に

       関すること

 

労使協定方式

 ・昇給の有無

 ・退職手当の有無

 ・賞与の有無

 ・労使協定の対象となる派遣社員であるか

       否か

 (労使協定の有効期間の終期) 

 ・派遣社員から申出を受けた苦情の処理に

       関すること

 + 労使協定の周知

 ※労使協定は労働者に周知されます。

   時給等の計算の根拠はここで確認できるはずです。

 

法律で規定されている「明示」と「説明」でも問題が解決しない場合には、最終手段として行政の相談窓口も設けられます。シリーズ最後はこの窓口のことなどを説明したいと思います。