昨夜の出来事。
ヤボ用で出かけた帰り、深夜の国道を走っていると、激しい衝突音と共にフロント部分が半壊したトラックが俺の車めがけて突進してきた。
かなりスピードを出していた俺は思いっきりブレーキペダルを踏みつけて突進してくるトラックの動きを見極めながら回避しようと懸命にハンドルを操作した。
トラックはガードレールに突っ込みブレーキの効果もあって俺の車はトラックから僅か1.5メートル(推定)の所で止まった。
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の効果と俺のハンドル操作の巧みさに思わず自画自賛し……
てる場合ではない。
トラックが突っ込んで来る時に運転席が見えたのだが、二人乗っていて運転手の方はかなり不自然な態勢でガードレールに突っ込んで行ったので安否が気になる。
車を止めて外に出ると、事故を見ていた他の車のドライバーが数人俺とトラックに駆け寄って来た。
俺には何の被害もなかったので数人のドライバーとトラックに駆け寄ると、トラックドライバーも助手席の人も幸い見た目には大したケガはしていないようだった。
他のドライバーが気を利かせて救急車の手配をしていたようなので、俺と残り数人は道路に散乱したトラックの荷物や破損した部品を道路脇に寄せることにした。
散乱物をどかしながら数人のドライバー達と話たのだが…
『上からトラックが降って来たのかと思ったよ』
『いきなり蛇行しながらトラックが出て来たから何だ!?と思ったよ』
『そこに住んでるんだけどスゲー音したから思わず出て来たよ』
『雨上がっててよかったよね』
『滅多に見れないぜ?こんなハデな事故』
『デート?』
『腹減ったね』
『明日晴れ?』
と、大したケガ人もいなかった安堵と事故現場の目撃共有という意識からか、なんとも事故とは不似合いな和やかな雰囲気での散乱物撤去になった。
散乱物を一緒に脇に寄せながら思っていたのだが…
アカの他人同士ではあっても事故を目の当たりにしてすかさず車を飛び出し、被害者、加害者の安否を気遣い駆け寄って来た数人のドライバー達…
中には野次馬的な部分もあったかもしれない事は完全に否定は出来ないトコロもあるだろうが…
立派な行動だと思った。
世知辛い世の中まだまだ棄てたモンじゃない。
あらかた散乱物を道路脇に寄せ集め、後は救急車の到着を待つだけになったので、俺と数人のドライバー達はそれぞれに帰りの安全と事故対応の労いを交わし自分の車に乗りクラクションの挨拶をして帰路についた…。
いや、しかし本気で焦ったぜ?
トラックが突っ込んで来た時は瞬間『あ、終わった』と思ったもん。
だいたい何日か前に2枚もお宝CDなんか見つけちまったモンだから運が尽きてこんな目に…
あ、無傷で助かってるからまだ運はあるか…
とかなんとか思いながら駐車場に帰って来て車内のルームライトを点けようとスイッチを押すと…
球切れで灯りが点かなかった…。
ハデな事故の後の地味な精神的ダメージ…
人生こんなモン…か?

☆No More Trouble