Zero Set : Moebius-Plank-Neumeier | Yokohama Beat Junkie

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ZERO SET 2がRECONSTRUCTされたアルバムがリリースされる。元ネタは当然ながらZERO SET2なんだけど、その更に元ネタ、というか正編にあたるのがこのアルバム。

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Zero Set : Moebius-Plank-Neumeier

70年代~80年代を中心に極めてプログレッシヴな挑戦を続けていたジャーマンロック。一部ではクラウトロックと呼ばれているけど、それはどうやら蔑称らしい。そもそもクラウトはドイツ料理であるザワークラウト(キャベツの酢漬け)を指し、第二次世界大戦時代にイギリス人が使ったドイツ人の蔑称。ある意味人種差別的意味合いが込められてるということだ。

で、ジャーマンロックはソウルミュージックやそこから派生していったロックが持つグルーヴとは別次元にいる音楽。実験的で無機質で電子的なものが多い。そもそもジャーマンロックの代表格といえばクラフトワークだし、他のフリーキーな音楽を聴けば、明らかに現代テクノの源流になっている。このアルバムも83年にリリースされていながら、94年のUKテクノチャートにランキングされたクラシックなのだ。

このユニットは今は亡き音楽プロデューサのKonrad 'Conny' Plank、Kluster/ClusterのDieter Moebius、Guru GuruのMani Neumeierから成っており、シーケンサーを使っていながら肉感的な躍動感を秘めた音を聴かせる。アルバムジャケットに無機質な地下通路で踊っているアフリカ女性が写っている通り、ダイナミックな生ドラムに無機質でアシッドなシンセ音が被さり、肉体と機械が絶妙な形で融合されている。ケン・イシイも「オールタイム・フェイバリット」と言ってるように、今もまだ多くのテクノファンを魅了してやまない素敵なアルバム。