『かんそ~ですがネタバレするかもしれませんので、気をつけてお読みください!』
パッケージからして、なんか独特な雰囲気をもつ映画『ファニーゲーム』
恐る恐る見始めるたんだけど、まずはそのオープニングがすんげぇウケる!
綺麗なクラシック音楽が流れながら始まったかと思ったら、急にヘビメタみたいな音楽に変わるのです!
のどかな時間を過ごしている、幸せそうな家族に合わせて、『グェ~』とか、『ブベェ~』という気味の悪い歌声(?)がガンガン流れるのです!
このあまりにも意表を突くオープニングに僕は、『何かが始まる!』予感がして、未知の世界に踏み込むような、すごい期待と不安が高まっていくのです!
(冒頭の卵のシーン!)
まず、観客のほとんどがこの作品の冒頭の卵のシーンにすんごくイライラするハズです!
気の弱そうな、少しぷっくらとした、彦摩呂みたいな青年が卵をもらいにくるんだけど、この青年が何度も卵を落とすわ、会話が微妙にかみ合わないわで、見ているこっちはすんげぇイライラする!
彦摩呂『卵、もらいにきたでぇ~!』
んだけれども、それは彼らの罠で、この卵事件をきっかけに幸せな家族の休日は思わぬ方向に、とんでもない方向に進んで行くんだけどね!
(卵、落ちました。)
(からの、理不尽な暴力!)
んで、ここから2人の青年による理不尽な暴力が始まるのです!
楽しい休暇を奪われたショーバー一家は、その暴力から逃げることができません!
観客としては『ショーバー一家、そこから逃げろ~!』と願いながら見るんだけど、青年たちには油断も隙もなく、ショーバー一家とのゲームを楽しむのです!
ただ、一回だけ、決定的にショーバー一家が助かりそうなシーンがあるんだけど、青年たちは『まさかの方法』でそのピンチを切り抜けます!
その『まさかの方法』には『え~、そんなのありかよ~!』という驚きとともに、ショーバー一家への暴力が続くということへの絶望につながるのです!
『まだ続くのね』
そして、2人の青年のゲームは続いて、その結末は実際にこの映画を見て知って欲しいんだけど、とにかく、ちょっとの先も予想できない展開がかなりGOODなのです!
全く慈悲のない、逃げることができない、徹底した暴力なのです!
そして、なんと言っても、ラストの青年たちがヨットからあるものを『ポイッ!』と捨てるシーンは最高で、それはショーバー一家とのゲームはただのお遊びでしかなかったことを表していますね!
最高です!
このスッパリと物語を終わらせるラストも素晴らしいですね!
『これはゴルフボールです!』
(このセリフに特に意味はありません。)
んで、まぁ、この映画はとにかくムカつくんです!
そして、見ていて気分が悪くなります!
しかし、それは監督のミヒャエル・ハネケさんの狙い通りなんですねぇ~!
ハネケ監督『うん、わしの狙い通りじゃ!フォフォフォフォ!』
ハネケ監督は『ファニーゲーム』についてこう言っています!
『なぜ人々がこの映画に憤慨するのかははっきりしています。憤慨させる為に作ったのですから...。暴力は撲滅できないものであり、痛みと他人への冒涜であることを伝えたい。だから、暴力を単なる見せ物ではなく、見終わった後に暴力の意味を再認識するものとして描かなければならない。また、今やハリウッドでは暴力が快楽を求める手っ取り早い方法となりつつあり、ユーモアとして処理されている』
つまり、ハネケ監督は、最近の映画では『暴力』を簡単に見せているけれど、本来『暴力』とはとっても痛いもので、他人を冒涜する、他人をひどく傷つける行為であり、そのことをみんなが忘れているのではないか?、と伝えたかったんだと思います!
いつも見ている映画では、主人公が悪者を殴っているシーンに観客である僕たちはスカッとし、楽しんでいます!
しかし、ヒーローであろうが、悪者であろうが、暴力を振るわれた方は痛みを感じ、とても不愉快な気持ちになるのです!
『ファニーゲーム』を観た観客の中には、不愉快な気持ちになって映画館から出た人がいるみたいですが、『暴力』とは本当はそのような『不愉快なもの』であり、ハネケ監督が観客にあたえたもの、そのものだったんです!
そして、実はこの作品にはもう一つポイントがあります!
それはこの作品を見ていて、メッチャムカつく理由の一つが、実は被害者であるショーバー一家なのです!
青年たちに暴力を振るわれるショーバー一家は、最初は抵抗するものの、次第に抵抗しなくなり、ついには逃げれるチャンスがあるものの逃げなかったりします!
そのチャンスで逃げないのは、ショーバー一家が暴力に怯え、無抵抗になってしまったからです!
僕が普段生活をしている周りには、無抵抗な人がたくさんいます
何を言われても、何をされても、不満があっても何も言わない
とても腹が立つ他人を注意したいけど、『しょうがない』と言って諦める
こういう人、結構多いですね!
ハネケ監督が『ファニーゲーム』で描いた『暴力』というのは、他人を冒涜することです
『暴力』とは、殴るとか、蹴るとか、物理的なことよりも、相手の存在を傷つけるという、精神的な面があると思います
暴力とは他人を侮辱する行為です!
侮辱されても無抵抗なショーバー一家を見ていると、僕の現実世界にたくさんいる、『不満があっても無抵抗』な人間たちと重ねて見てしまい、さらにイライラするのです!
あ~、見ていてイライラする!
と、さらにハネケ監督の狙い通りになっていく自分なのでした
くやし~!
ハネケ監督『やったね!』
んでねぇ、この『ファニーゲーム』という1997年に公開された衝撃作が、2008年にアメリカ映画としてリメイクされています!
それが『ファニーゲームUSA』です!
2008年版の監督はなんと1997年版を撮ったハネケ監督自身で、自分の作品を自分でリメイクするという、なんとも不思議なリメイク作品です!
有名俳優のティム・ロスや、
ナオミ・ワッツが出演し、
ボロボロにされる一家を熱演しているらしいです!
(僕はまだ見ていません!)
そして、このリメイク作品はセリフやカットが1997年版とほとんど一緒らしいです!
出演しているナオミ・ワッツが女優としてというよりは、女性として好きなタイプである僕としては、ボロボロにされ、涙でグシャグシャになる彼女の姿をぜひ見たいと思ってました!
(↑変態)
(この姿が僕は見たいのだ!)
それはともかく、1997年版『ファニーゲーム』を見ていたので、このリメイク作品を見る必要はないと思っていたんだけど、今回『ファニーゲーム』のレビューをしていたら見たくなってきたんで、改めて、この最高に不快な作品をリメイク作品で確かめてみたいと思います!
『リメイクも見てチョンマゲ!』(リメイク版の子役)
という風に、映画界にはびこる『認められた暴力』に対して、衝撃的な表現で警告したハネケ監督の『ファニーゲーム』ですが、そんな難しいことを考えなくても、『すんげえ変な、すんげえムカつく映画』として、単純に楽しむことができます!
だから、とりあえず、見て欲しい作品なのです!
そして、『もう限界!』『とっても不愉快だ!(怒)』と限界になったら、見るのを辞めても良いです!
とにかく、一度、試しに見て欲しいのです!
ほんとにマジでムカつくからね!
『見てよ!お願い!見てよ!』
そんなわけで、今回はおしまいです!
次回はもっとまともな映画をご紹介したいと思います!
たぶん。
そいじゃあ、さいならね~!
キュピ~ン!
おしまい
(卵は多めに買っておきましょう!)
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