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『禁止リスト』
著者 コーティ・ザン
訳者 三角和代

 3年間の監禁によって心を傷つけられながら、親友の遺体を探し出すためにトラウマと戦っていく女性の話です。
 主人公のセアラと親友のジェニファーは子供の頃に事故に遭い、それをきっかけにして運命に対しての備えを始めます。それが「禁止リスト」。
 パニックを起こすのは禁止、知らない人の車に乗るのは禁止など、細かく禁止事項を定めていきます。
 二人は進学を期に寮生活することになります。最初は不安に押しつぶされそうな毎日ですが、やがて自分たちは普通の人のように生活できていると感じ始めます。
 そんなとき、出先から寮へ戻るためにつかまえたタクシーで、二人はさらわれ、監禁されることに。3年間の監禁生活の間にジェニファーは命を落としてしまいます。
 そこから時は流れて10年後。誘拐されてから13年後。セアラは医師の協力により、なんとか日常生活を送っていました。そこへかつて自分を監禁していた犯人が仮釈放されると知らせがあります。
 親友を殺した犯人を釈放させまいと、セアラはジェニファーの遺体を探すために行動を開始します。
 しかしそれと時を同じくして、自らを苦しめた犯人から謎の手紙が届きます。
 内容は同じく監禁されていた他の二人に関するもの。
 そこに何があるのか、それを知ることによってジェニファー発見に近づくことができると考えたセアラは、かつて共に苦しみを味わった被害者へ会いに行きます。
 ある意味での仲間との再会は多くの苦痛を思い出させ、さらに犯人からの心理戦により溝は深まっていきます。
 それでもジェニファーを見つけるために進み続けるセアラは最後に衝撃的な真実と再会します。

 事件の後遺症に悩まされるセアラの内面がしっかり描かれています。それに対してのセアラが行う対処法もリアリティのあるもので、表情の描写も一読しただけではっきり想像できるほどです。
 これは著者だけでなく、訳者の腕も良かったということでしょう。
 しかし、物語の筋としては、つながりと発展に首をかしげるシーンがいくつかありました。いわゆるご都合主義と、唐突すぎて読み手がついていけないところがあります。
 監禁をされていた女性たちの人生や、内面も主人公と同じくらいに細かく描写されており、物語に厚みを与えています。
 その一方で、捜査官や医師などの専門的な人物についてはいまいち人間味が感じられず、記号となってしまっている点は残念に感じました。

 とはいえ、自らの過去を乗り越えていく姿には、弱い人間として自分自身勇気付けられる気がしました。大きく共感できる部分があったことは、私がこの本を読みきる手助けになりました。