TEAMBEASTのブログ

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突如、閉店となったマルゴーですが事情は複雑な様で('A`) 
いまから何十年前でしょうか? 
昔々、上野にはMGCが有ってCMCが有って丸郷商店が有ってホビース商会が有りました。 
御徒町にはレプリカが有ったんです。 
中田商店も黎明期の頃はモデルガンを物を販売してました。 
イメージ 1

そうですか、業績不振ですか。 
あの頃の時代が遠ざかります。 
昭和の年末時期なら関東圏のガンマニヤ少年はお年玉の皮算用で欲しいモデルガンを 
品定めしてる頃ですねぇ。 
アメ横に上京する前にガン雑誌を並べながら 
友達とは『紳士協定』を結んで別機種の銃を買い求める契約を結ぶのです。 
で、そんなメンドーな事も楽しかったりしてました。 

自分は所謂52年規制の後からのガンマニヤです。 
時たま規制前のモデルガンに触れることも有ります(商売柄触れざるを得ません) 
そう云った目線からだと丸郷商店はメーカーとしては瑕疵が有るのでは?と思います。 

只、そうは云ってもよりお手軽にモデルガンを購入出来るのは丸郷商店であり、 
中田商店でした。 

今後、アメ横がモデルガンの町とは称されないでしょう。 

寂しい限りです('A`) 
昔々の話。
そう、あの頃の話。
まだ、アメ横にMGCが健在だった時代。
ガード下にマルゴーやCMC、ホビース商会が営業していた時代。
長い長い過去の時代。
最早失われた時代の話。

The End Of Lost Century

二度とは戻れぬ時代の話。

少年は欲していた。
条件は揃った!


冬休みや春休み、夏休み等
学校が長期に渡って休みになると
関東近郊よりモデルガン・ファンが
上野を目指して行軍するのであった。

冬ならお年玉。
春なら進級祝い。
夏なら家事手伝いのお小遣い。
そうやって貯めた「軍資金」で
夢にまで見たモデルガンを購入しに上京してくる。

普段は口うるさい母親もこのときばかりは
お弁当を作ってくれる。
“知らない人が…”とか“危ない人に”とか、
いろいろ注意をしながら心配してくる。

内心びくびくながらも母親には
精一杯虚勢を張って地元駅を後にする。
憧れと夢にまで見た銃を手にする為に。
友達と連れだって。
或いはたったひとりで。
少年が男になる為のワン・ステップだ。

自分よりも数段大人に見える上級生の連中は
米軍のBDUをバッチリ決めて上野に行く。
更に気の利いた連中はナム戦装備限定でアメ横を練り歩く。
少年はいつかチームに入ろうと思っていた。

店に着けば予め目星を付けたモデルガンを探す。
目を皿のようにして欲しい銃を探す。
店員に聞くなんてとんでもない!
聞く時は購入する時だ!
決心がつくまで同行の友人と牽制しながら、
あるいは他の客の動向を観察しながらチャンスを待つ。

年配の詳しい常連客の言動に挫けそうになるが、
いつも夢見たヒーローと同じ銃を手にするべく
最大の勇気を振り絞り、店員に声を掛ける。

『すいません。○○の××が欲しいんですけど…。』
「はい。○○ですね。」

喉がカラカラになりながらも
少年は憧れの銃を手にする。
“やった!これだ!この銃だ!!”
少年はだが、淡々と注文する。
『じゃぁ、この銃とホルスターと、火薬を下さい。あとサイレンサーも。』
なぜか店員の目を見ないようにしつつ、
欲しい物をオーダーする。

「合計で○○○○○円です。」
値段を聞いてホッとしながら財布を手にする。
会計を済ました後はいっぱしの男のような気になる。
同行の友人達がもどかしくも感じる。
‘オレはもう買ったんだぜ!早く決めろよ’
少年には先程までの逡巡など意に介さず
早く憧れの銃を手にしたい気持ちでいっぱいなのだ。

仲間が全員、買い物を済ませれば
他の目的地へ。
至福の時間が延々と続くような印象を受ける。
それなりの観光地に赴く。
先日観た探偵ドラマの舞台の場所は聖地かも知れない。

『西郷さんだよ!』
『おおーっ!ここかぁ!』
『第5話だよな!』
『そうそう、かっこいいんだな!』

日暮れる前に帰路につく。
母親との約束だ。
同行の友人はそれぞれこっそり
自分の購入したモデルガンを身につけている。
上野駅から自宅まで。
想像したヒーローになりきるのだ。

『ただいまぁ。』
「遅かったねぇ、どうしたん?」
少年は“別に”と答えながら自分の部屋へ急ぐ。
帰りの電車の中、ずっとモデルガンを握っていたのだ。
その感覚を一時たりとも忘れたくない…。

母親は「なんだねぇ、くだらない物買ったねぇ。」
父親は「かっこいいなぁ、裕次郎の銃か?」
などと晩ご飯の時に聞いてくる。
妹は「お兄ちゃん、ずるい。でもかっこいいよ」
とほめてくれる。

上野まで流石に疲れたけれど
また行きたいと思う。
「今度はあの店員が目を丸くするくらいにキメて行くんだ!」


尚、この物語はフィクションです。