大人の都合で繰り広げられた壮絶な死闘の果てに、
多くのだいじな人たちの死を目の当たりに、
戦争で心を疲弊させたふたりが、宇宙を漂いながら交わす言葉。

「ファだけは、幻覚でもなければ意識だけの存在でもない。
こうやって、抱く事が出来るんだから...」
「カミーユだって...私が抱けるから嬉しいのよ!」
人の存在も、そこに確かに存在した意識も愛も思いもすべて、
悲しいけど永遠ではない。
人と人とを分け隔て、時として争い合う原因にもなる壁。
心と心の間には、肉体という抗いようがない壁が存在する。
だから人は、その壁すら乗り越えようと、
抱きしめ合う。
その暖かさを、抱きしめ合う。
その暖かさこそ、愛だと知る。


