(恣意)水不足は雨不足ではなく、発想の遅れだ
 
■ 現状:水源はいまだに雨だより
 
日本の水供給は、現在でも
・降雨
・ダム貯水
・河川流量


といった自然条件への依存を前提に設計されている

雨が降れば助かり、
降らなければ渇水となり、
水不足は「異常気象」「想定外」で処理される。

しかしこれは自然災害ではない。
人為的に不確実性を選び続けている設計不全である

異常気象が常態化しているにもかかわらず、
水インフラだけが「天に祈る設計」のまま放置されている
 
■ 現状:下水処理はすでに高度化している
 
一方で、日本の下水処理技術は世界最高水準にある。

・高度処理
・窒素・リン除去
・膜処理
・厳格な水質検査体制


これらはすでに全国の下水処理場に整備されている。

つまり問題は、
処理できないことではない。
使っていないことにある


下水処理水は、
「捨てる水」として扱われ続けているだけで、
技術的にはすでに十分な水資源である
 
■ 視点転換:下水処理水を“水源”として扱う
 
下水処理水は、
・毎日
・安定して
・都市近傍で


必ず発生している水である。
これは雨よりも、はるかに予測可能で制御可能な水源だ

例えば首都圏規模では、
下水処理量は概算で日量約400万m³に達している
(晴天時平均。雨天増分は除外)。

このすべてを再利用する必要はない。
仮に高度処理・水質管理を行い、
50%のみを再生水として利用可能と控えめに見積もっても

再利用可能水量は約200万m³/日となる

一方、都市部の
1日あたりの上水使用量は約300~350万m³規模であり
再生水だけで全体の6割前後を補填できる計算になる

この数字が示しているのは明確だ。

水不足とは、「水が足りない」ことではない。
すでに都市内で発生している安定水源を、水源として扱っていないことによって起きている
 
■ 説明:なぜ水不足は解消できるのか
 
解決の鍵は、
「水を貯める」発想から「水を制御する」発想への転換である

下水処理水を
・都市近傍
・ダム出口付近
・需要地直前


水圧・流量に応じて合流させることで、

夏場の蒸発ロスを避け
必要量のみを供給し
水質管理を容易にし
異常時は即座に遮断できる

設計が可能になる。

余剰が出た場合は、
従来どおり河川や海へ放流すればよい
完全なゼロ放流を目指す必要はない。

重要なのは、
自然任せに戻す逃げ道を残したまま、
人為的制御を主系統に据えること
である。
 
■ フロー(概念)
 
生活・産業排水
        ↓
下水処理場(高度処理)
        ↓
再生水 分岐
  ├ 都市近傍で水圧・流量に応じて注入
  ├ 短期バッファ貯水(時間差吸収)
  └ 余剰時は河川・海へ従来放流
 
この仕組みにより、
水不足は「毎年起きる事象」ではなく、
例外的な事象へと押し戻すことができる


※「概念図(既存技術の組み合わせ)」「需要・水圧に応じて注入」「余剰時は従来放流」
 
■ 副次的効果:老朽化調査と回収が同時に進む
 
水圧・流量・水質を常時監視する設計は、
結果として

・老朽配管
・漏水
・劣化箇所


の可視化を促進する。

これは単なる水不足対策ではなく、
水インフラ全体の更新を前倒しする仕組みでもある
 
■ 結論
 
水不足に悩まない設計は、すでに技術的にも数量的にも可能である

必要なのは新技術ではない。
必要なのは、自然任せをやめる決断である

水不足に悩まない設計と施行に、
即時着手し、実行すべし。