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弁護士市川一樹のNet出張所「みんなの労働法」

自称「愛知県弁護士会野球部の主砲」が
労働者や経営者の役に立つ情報を発信するブログ

 

皆さんこんにちは。
弁護士の市川一樹です。

 今日は、「労働者派遣」について、お話させていただきます。

 「ハケンの品格」というドラマ、先週から放送が始まりましたね。
 13年前にも放送されており、今作はその続編です。
私は、前作も全て観ており、今作も楽しみにしていました。

 「ハケン」とは、「派遣労働者」のことです。
 主人公である大前春子は派遣労働者であり、「派遣労働者の品格」がテーマのドラマです。
 「労働者を派遣する」とはどういうことか、ご存知でしょうか。
 労働者派遣について知れば、ドラマをもっと楽しめるかもしれません。

 労働者派遣とは、自社が雇用する労働者を、他人の指揮命令のもと、当該他人のために労働させることをいいます。
 労働者派遣は、

  1.  労働者と派遣元企業との間に雇用関係があること、
  2.  労働者と派遣先との間に指揮命令関係があること(労働者と派遣元企業との間に指揮命令関係がないこと)、
  3.  派遣先と派遣元の間に労働者派遣契約が締結され、派遣元が派遣先に労働者を派遣すること

を基本的な要素としています。


 ドラマに即していうと、「ハケンライフ」が派遣元企業、「株式会社S&F」が派遣先企業、「大前春子」が派遣労働者です。
「大前春子」は、「ハケンライフ」と雇用契約を締結しつつ、「株式会社S&F」にて、「株式会社S&F」の指揮命令のもと(「ハケンライフ」との間に指揮命令関係はありません)、働いています。
 「ハケンライフ」は、「株式会社S&F」との間で労働者派遣契約を締結し、「株式会社S&F」に労働者を派遣する代わりに、「株式会社S&F」から代金をもらっています。

 派遣労働者の給料は、派遣元企業が支払います。
 「大前春子」の給料は、「ハケンライフ」が支払っているのです。

 また、派遣労働者が安全に労働できるよう配慮すべき義務(安全配慮義務)は、派遣元企業及び派遣先企業の双方が負っています。
「ハケンライフ」及び「株式会社S&F」は、「大前春子」が安全に働けるよう、配慮すべき義務を負っているのです。
なお、派遣元企業と派遣先企業との労働者派遣契約では、派遣労働者に関する以下の事項を、必ず定めなければなりません。

  1.  従事する業務
  2.  就業場所
  3.  指揮命令者
  4.  派遣期間

先週の第一話で、「ハケンライフ」と「株式会社S&F」が面談した際、「ハケンライフ」の担当者(近耕作)が、

「勤務時間は午前9時~午後5時、休憩時間はお昼12時から1時間、派遣期間は3か月で延長はありません!」

と言っていたのはこのことですね。

ちなみに、派遣労働者に対し、派遣元企業が指揮命令権を有し、業務遂行方法等について指示するのは、いわゆる偽装派遣にあたります(一時期話題になりましたね)。
「ハケンライフ」は、「大前春子」に対し、業務遂行方法等について指示することはできないのです。

いかがでしたでしょうか。
法律を知ってから観ると、ドラマもより面白くなるかもしれませんね。
 

 

 

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 皆さんこんにちは。

 弁護士の市川一樹です。

 

 今日は、「副業」について、お話させていただきます。

 

 「副業」とは、生計の中心となる業務(本業)以外に、収入を得るために副次的に行う業務をいいます。

 

 これまで、ほとんどの企業で副業が禁止されており、副業をすると懲戒処分を受けることもありました。

 しかし、そもそも副業は、労働者の私生活上の行為であり、会社の指揮命令権が及ばないはずです。

 裁判所も、

「副業を一律に禁止する規定は原則として無効となる。」

と判断しています。

 

 副業は、労働者にとって、主体的なキャリア形成(多様な経験を積む)や所得の増加等のメリットがあり、企業にとっては優秀な従業員を育成できる等のメリットがあるため、近年、副業を認める企業が増加しています。

 

 厚生労働省も、モデル就業規則(厚生労働省がモデルとして提供する就業規則)を改定し、原則として副業を認めることを推奨しています。

【モデル就業規則】

(副業・兼業) 

第68条 

1 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出

を行うものとする。

3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。

  1.  労務提供上の支障がある場合
  2.  企業秘密が漏洩する場合
  3.  会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
  4.  競業により、企業の利益を害する場合

 

 このような状況のなか、今後も副業を一律に禁止する制度を維持し続けることは、企業のブランディングの観点からも、問題が大きいといえます。

 副業を認め、企業・労働者ともにメリットを享受できるような制度作りに着手しましょう。

 

 なお、副業を認める制度を導入する際には、事前許可制(事前に副業の内容について確認し、許可した場合に認めるもの)、一部許可制(原則として届出等を要しないとするものの、一定の副業に限って許可制とするもの)、及び事後確認制(事前の許可や届出を求めないもの)のいずれを採用するのか、決める必要があります。

 労働時間・健康管理等を行う必要があるため、事前許可制がよいのではないかと思います。

 

 また、副業を認める場合には、当該従業員から、「副業に関する誓約書」を提出させることをお勧めします。

 

 【副業に関する誓約書(例)】

  1.  当社の就業時間中は副業を行わず、当社の職務に専念します。
  2.  副業に当たり、当社の技術上又は営業上その他の一切の情報(以下「秘密情報」という。)や知的財産権を使用、開示、漏洩しません。また、副業の秘密情報や知的財産権を副業先の許可なく当社の業務に使用することもしません。
  3.  副業に当たり、当社の名称を用いません。また、副業に当たり、当社の名誉や信用を損なう行為や当社との信頼関係を破壊する行為は行いません。
  4.  副業に当たり、当社の競業に該当する行為は行いません。また、副業に関して、当社の従業員を勧誘する行為は行いません。
  5.  副業によって自らの健康を害することのないよう十分に注意し、健康管理に気をつけます。
  6.  副業に関し疑義や要望が生じたときは、当社が副業先に対し、直接問い合わせることを承諾します。
  7.  上記のほか、副業に関する当社の就業規則及び情報保護に関する規定並びに関連する社内規定を遵守いたします。

 

 いかがでしたでしょうか。

 副業を認める制度を設計し、企業・従業員の成長に繋げてみませんか?

 当事務所では、各企業に合った制度設計のサポートをさせていただいています。

 ぜひ一度、ご相談ください。

 

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こんにちは!

事務員Yです!

今日も市川先生に代わって、投稿した動画を紹介します。

 

 昨今、新型コロナウイルスによる経営状況の悪化により、

取りうる手段なく人員整理を迫られている経営者の方も多いように感じています。

 最近のニュースにも多く取り上げられていますね。

 

 今回は、そのような状況下となると、必ず話題に上がる「雇い止め」についての動画を2本紹介します。

 

みんなの労働法「雇い止め」

 一本目は、雇い止めの制限についての動画です。

 条件を満たした労働者に対しての雇い止めには、一定の制限がかけられています。

 どんな条件で違法な「雇い止め」となってしまうのか。

 ご自身の会社には、違法な「雇い止め」はありませんか?

 

 

みんなの労働法「雇い止めのリスクとその低減」

 二本目は「雇い止め」が無効になった場合に起こり得るリスクと、リスクを回避する方法を紹介しています。

 新型コロナウイルスという未曽有の災害の中、雇い止めを選択せざるを得ず、苦渋の決断をした経営者の方も多いでしょう。

 しかしながら、手続一つで水の泡となってしまうこともあります。

せっかくの決断を無駄にしないために、どうしたらいいのでしょうか?

 

 

 

 

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 皆さんこんにちは。

 弁護士の市川一樹です。

 

 今回は、引き続き、

「弁護士になるにはどうしたらいいのか」について、お話します。

 

 (7)実務修習(刑事裁判修習編) 

刑事裁判修習のスケジュールは、こんな感じです。

  • 午前9時30分~
    集合
     
  • 午前10時~
    記録閲覧、裁判等傍聴、時々起案
     
  • 午後12時~午後1時
    昼食
     
  • 午後1時~午後5時
    記録閲覧、裁判等傍聴、時々起案

 

 裁判員裁判も、傍聴させていただきました。

 裁判員裁判とは、重大事件(人を死亡させた等)について、裁判官3名+裁判員6名で、審理を行う裁判です。

 裁判員6名は、一般市民(法曹関係者ではない人)の中から抽選で選ばれます。

 

 裁判員裁判は連日開廷され、一週間程度で結論(判決)を出します。

 裁判員の方々も、積極的に被告人等に質問したり、裁判官に意見を述べたりと、主体的に裁判にかかわっていました。

 

 皆さんも、裁判員に選ばれることがあるかもしれません。

 貴重な経験なので、ぜひ体験してみてください。

 

 

 刑事裁判修習では、部長にすごく仲良くしていただきました。

 毎週飲みに連れて行ってもらいましたし、部長の誕生日パーティーもしました。

 今でも、仲良くしていただいてます。

(私の結婚式にも来ていただきました。)

 修習の頃の縁は、大切です。

  

 

 刑事裁判でも、模擬裁判をします。

 私は、裁判官役を務め、法廷の裁判官席に座りました。

 初めて法服(黒いポンチョみたいなやつ)を着ることができ、ウキウキしました。

(昔はシルクだったらしいのですが、今ではユニクロ製らしいです。衝撃。)

 裁判官席の下には、緊急事態用(法廷内で誰かが暴れる等)のボタンがありました。

 ボタンを押すと、複数の職員がすぐに駆け付けて、暴れている人を取り押さえるらしいです。

 

 

 模擬裁判の前に、進行について、弁護士役検察官役の修習生と打ち合わせをします。

 入念に打ち合わせを行い、いざ模擬裁判が開廷しました。

 

 なんと・・・弁護士役の修習生が、緊張のあまり、打ち合わせと異なる発言を始めました。

 私も、弁護士役の修習生も、咄嗟に事態を収める能力がありません。(力不足でした)

しかし、黙っているのもおかしいわけです。

 私は意を決し、

「弁護人。本当にそれでよろしいですか?」

という意味不明な発言をします。

 弁護士役の修習生は、何かがおかしいことに気づいた様子ながらも、どうすることもできず、

「よろしいです。」

と切り返してきます。

「本当ですか?」

「本当です。」

傍聴していた裁判官たちが笑い転げていました。

 

 模擬裁判が進み、証人尋問の時間がやってきました。

 弁護人役検察官役裁判官役(私)がそれぞれ質問を行い、終了しようとしたとき、事件が起きました。

 

 被告人(犯罪を犯したと疑われている人)役の裁判官が、突如として叫びます。

 「裁判官!私も質問してもいいですか!直接話したいんです!」

 私はもうパニックです。そんなの見たことありません。

 数秒沈黙した後、意を決し、

「ダメです。」

と回答しました。

 

 またしても、傍聴していた裁判官たちが笑い転げます。

 どうやら、憲法に違反してしまったようです。

(正解は、質問を認めつつ、「まずは弁護人と質問内容を協議してみてください」と促すことだそうです。)

 

 

 弁護修習が終わると、次は検察修習です。

 検察修習は、修習生が2人ずつ、検事(里親検事といいます)に配属され、約2か月の修習を行います。

 

 次回は、検察修習について、お話させていただきます。

 

 今日も読んでいただき、ありがとうございました!

 

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 皆さんこんにちは。

 弁護士の市川一樹です!

 

 先日、の改正案が可決されましたね。

 改正の影響を受ける会社も多いと思います。

 

 今回は、「公益通報者保護法」の改正点等について、解説していきます。

 

 <公益通報者保護法ってなに?> 

 近年、会社の不祥事が多発しています。

 会社の不祥事による被害の拡大を防止するためには、不祥事を早期に発見し、是正することが必要です。

(例えば、会社が人体に有害な食品を出荷しようとしている場合には、水際で阻止する必要がありますよね)

 そして、会社の不祥事を最も早く発見できるのは、その会社の役員や従業員です。

 

 役員や従業員が、会社の不祥事を発見後、関係各所(行政機関等)に対し、速やかに通報することが、被害の拡大を防ぐために最も有効です。

しかし、役員や従業員は、会社から不利益な処分(左遷、減給、降格、解雇等)を受けることを怖れ、なかなか通報に踏み切ることができません

 

 そこで、通報者を法的に保護し、会社が通報者に対して不利益な処分をすることを禁じるために、公益通報者保護法が制定されました。

 公益通報者保護法の目的は、通報者を保護し、通報を促進することで、国民の生命・身体・財産を守ることにあります。

 

 

 

 <改正によって主に何が変わったの?> 

  1.  体制整備義務 
     会社は、内部通報に適切に対応するために必要な体制の整備(窓口設定、調査、是正措 置等)を行う義務を負います。
     ※ただし、中小事業者(従業員数300人以下)は、努力義務
     
  2.  体制整備義務違反に対する行政措置の創設 
     体制整備義務に違反した場合、会社名が公表されるようになりました。
     
  3.  守秘義務 
     不祥事の調査をする者に対し、通報者が特定できるような情報の守秘が義務付けられました。
     守秘義務に違反した場合、刑事罰を科せられます。
     
  4.  保護の対象者を拡充 
     現に会社に勤務している労働者だけではなく、退職者(退職後1年以内)や役員も、公益通報者保護法による保護の対象に含まれました。
     
  5.  損害賠償責任を免除   
     通報によって会社に損害が生じた場合でも、通報者が損害賠償責任を負わないことが明記されました。


 以上のとおり、会社は、内部通報に適切に対応するために必要な体制を整備し、通報制度が適切に機能するようにしなければなりません。

 

  通報制度が適切に機能することが、会社の利益、ひいては国民の利益に繋がります。

 

 

  ・・・とはいえ、

 

「どうしたらいいのかよく分からない。」

 

という経営者の方々も多いと思います。

 

 迷ったら、早めに弁護士に相談してみてください。

 通報窓口には、我々弁護士が就任することもできます。

 

 昨今、労働法をはじめ、法律改正が頻繁に行われています。

 知らないうちに法律に違反してしまわないよう、日常的に、弁護士に相談できるような体制を整えておくとよいですね。

 

 

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