昨日はエブリーで氷艶特集があったんですよね!

またしても関東ローカルだったか何だか
とにかくウチの地域では放送なかったんですけども(悲)

動画あげて下さった方がいらしたので見ることが出来ました!
ありがとうございます、お借りします~(^O^)





個人的に何がいちばん良かったかというと

デーリンによる「青海波」の舞を見られたこと!!!




凛々すぃ~(〃▽〃)


装束にも興味津々だわ。








青海波といえば

源氏物語「紅葉賀」における名シーンだよ!









十月十日すぎの行幸を前に
桐壺帝は宮中において本格的な試楽(リハーサル)をさせることに。

本番を見ることのかなわない藤壺のためでしょう、
懐妊した(実は源氏の子)藤壺を、帝はますます愛しく大切に思っているのです。





源氏の中将は、青海波をぞ舞い給ひける。片手には大殿の頭の中将、かたち用意人には異なるを、立ち並びては、なほ花の傍の深山木なり。
入りがたの日影さやかにさしたるに、楽の声まさり、物の面白き程に、同じ舞の足踏みおももち、世に見えぬさまなり。詠などし給へるは、これや仏の御迦陵頻伽の声ならむ、と聞ゆ。
面白くあはれなるに帝涙をのごひ給ひ、上達部皇子たちも、みな泣き給ひぬ。詠はてて、袖うちなほし給へるに、待ちとりたる楽のにぎははしきに、顔の色あひまさりて、常よりも光ると見え給ふ。



(源氏の中将は、青海波をお舞いになった。
お相手は左大臣家の頭の中将である。器量といい、ものごしといい並々の方ではないのだが、源氏の君とならぶと、花の彩りを添える深山木のようにしか見えない。
入り日の輝きの中に楽の音は美しく響き、感興が一段とまさる時、同じ舞でも今日の足拍子やお顔つきは、この世のものとは思われない。詠唱なさるお声は、これこそ御仏の迦陵頻伽のお声であろうかと思われる。
あまりの素晴らしさに帝は落涙なさり、公卿や皇子たちも皆お泣きになった。詠唱が終わって、袖をお直しになると、それを待ちとった音楽が再びにぎやかに起こり、お顔の色合いは、いつもより更に光り輝いてお見えになる。)


※迦陵頻伽(かりょうびんが)…極楽に住む音声絶妙の鳥。その声は如来の説法の妙音にたとえられる







とても絵画的なシーンなんですよね
行間から鮮やかなイメージが立ちのぼって来るよう。

印象に残りやすいので、このくだりが好きな人は多いのじゃないでしょうか?

文章からあれこれ想像し、そうして実際の舞を見たくなるんですよねえ~



オスカー・ワイルド作「サロメ」における

「7つのヴェールの踊り」なんかもそんな欲求を抱かせる(笑)





(預言者ヨカナーンに恋したが拒絶されたサロメは

「7つのヴェールの踊り」を王に披露し、その褒美として銀の大皿に載せたヨカナーンの首を所望する)







繰り広げられる雅やかな宮中絵巻、響く楽の音

もののあはれを誘う秋の入り日のころ

兜に紅葉をさした、光り輝くような美青年が

藤壺への秘めた想いを胸に
藤壺のため心を込めて青海波を舞う

苦しい恋に身を焦がしながら。

それを夫の帝と共に、御簾の奥から眺める藤壺の宮…


絵画的、映像的な美しさを背景に
源氏と藤壺の表に出せない苦しい想いがこちらの胸にもひしひし伝わってくるのですよ
くう、たまらんのう!←ひとり盛り上がる熊



やんややんやで青海波を舞い終えた光源氏に対して

朱雀君の母、弘徽殿の女御は



「神など、空にめでつべきかたちかな。うたてゆゆし。(神などが空から魅入りそうなご様子だ。気味が悪い)」

などとのたまう。

恐ろしいほどの美しさに、桐壺帝も同じ危惧を抱いたので
源氏の身を守るため諸寺に誦経をおさせになると

他の人々はもっともな用心と考えたにもかかわらず弘徽殿ばかりは

「あながちなり(大仰な)」

と、さらに源氏を憎む。



うーん、荒川さんめっちゃこの役ハマりそうだわぁピッタリぃぃ!!!←褒めてます



藤壺はといえば
夕日に照り映える源氏の姿を見つめながら

こんな大それた想いがなかったなら、どんなにか心ゆくまで楽しめただろう…と苦悩する。

その翌朝、人目を忍んで藤壺に文を送る源氏。



「いかに御覧じけむ。世に知らぬみだり心地ながらこそ。

もの思ふに立ち舞ふべくもあらぬ身の袖うちふりし心知りきや」

(どうご覧になったでしょうか。生まれて初めての苦しい気持ちでした。

物思いのため、人前で立ち舞うなどできそうにない私が、袖ひるがえし舞った心のほどをお汲みくださいましたか)






青海波を舞った源氏の
目にも鮮やかな様子やお顔が忘れられない藤壺は、無視しきれずに返事を送る。


「からひとの袖ふることは遠けれど立ち居につけてあはれとは見き

大方には」

(異国の人が袖をふったという故事はよく知りませんが、お手振りは結構に存じました。

私なりに拝見させていただきました)







この切なさがなんとも素敵(〃▽〃)





ところで「氷艶」では青海波を舞ったりしてくれるのかな?




(絵で見ると何故かちょっとマヌケっぽいのが可愛い。顔立ちのせいかしら、とっつぁん坊や的な?笑。)




↑写真は2002年発行(えっ!そんなたってた???)のこちらから




本来なら頭の中将と一緒に舞う訳だけど




ショーの見せ場のひとつとして、ランビ様と組んだりしてね?



それぞれのイメージカラーが青系と赤系なら氷上で映えそうだし



ふたりで滑ったなら
それはそれはすごいものが見られそうじゃない???




はあ~夢と希望と期待と妄想がどんどん広がるわぁO(≧∇≦)o