私は父と兄が大好きだった。

学校が終わると校庭で日が沈むまで兄や友達と遊んでいた。

ただその頃はまだ両親が居酒屋をやっていて
夕方4時30分迄に家に帰らないと、
子供の足で50分はかかるだろう道のりを歩いて店に行かなければならなかった。

でもその長い道のりでさえ、
地下道や道から外れた草っ原や、建物と建物の狭い路地裏を兄と冒険しながら歩くのも楽しかった。

休みの日は兄の友達が遊びに来て一緒に騒いだり、
兄が居ない時は父と小さな畑だけど土いじりを手伝っていた。

段々生活が変わっていったのがその居酒屋をやめてからだった。

両親はホテルのスナックで働きだしたが
いつも私が学校から帰るともう居なかった。

転機が訪れたのは新しい家を買おうと分譲地に応募し小さな土地を購入しようとした時だった。

色々な家のパンフレットを家族と見るのが楽しくて仕方なかった。

でもそれは現実にはならなかった…
母が自動車事故を起こしてしまい家を買うどころではなくなってしまった。

学校の友達には新しい家に引っ越すのでもう会えなくなると言ってしまっていたので嘘つき呼ばわりされる様になった。

そしてその頃からリストカットをしては泣いてまたリストカットをしる繰り返しが始まった…。