「世界に通用する英語」が身につく教育とは?
僕がこれまでの指導経験の中でたどり着いたのが、次の4つのポイント。
① 中学文法をしっかり使えるように
中学で習う英文法の基礎は、バイリンガルの最も土台となるスキルです。
文法がすべてではありませんが、やはりある程度正確な文法で話せない/書けないと、
言いたいことが相手にきちんと伝わりません。
したがって、中学で習う基礎文法は、必ずマスターする。文法を軽視しない。
しかし、こだわるべきは、多くの学校や塾のように単に文法のルールを
「理解」するだけではなく、それを実生活で「使いこなせるようになる」こと。
読んで理解できるのと、実際に使えるのは、全く別なのです。
英語独特の文法を意識し、話す/書く練習を重ねることで、
初めて英語らしい文が話せるようになります。
② 4技能+語彙 を総合的に学習
読む/聞く/書く/話すの4技能をすべて伸ばす。
留学やビジネスの現場では、
4技能を統合してコミュニケーションする力が求められます。
たとえば会議では、資料を読み、話を聞き、その上で話す、と言う流れが一般的ですね。
また、高いレベルで会話できるようになるには、
語彙力(見て分かる語彙ではなく、自分で使える語彙)を拡大し、
相手の言っていることを正確に聞き取るリスニング力を身につけ、
良質の英文をたくさん読むことで表現力を高め、
また正確な文法を身につけるためにたくさん書く、
などのトレーニングが必要です。
会話できるようになるには、とりあえず会話だけしてればいい、
という訳ではないのです。
③ 口と耳の『感覚』を育てる
4技能や文法・語彙が大事とは言え、
知識を頭で理解しているだけでは不十分。
結局のところ、「口」や「耳」など、感覚で覚えていないと、
会話のスピードについていけません。
したがって、「知識」がきちんと「感覚」になるまで
トレーニングすることが大切です。
ネイティブの発音での読み聞かせや、
生徒自身による英文の音読・復唱・暗唱を徹底的に行います。
簡単なことを、当たり前のように聞き取り、
当たり前のように話せるようになることを目指します。
また、発音は、ネイティブらしいリズムや抑揚を
身につけるために細かく指導します。
④ 自分で考え、自分が言いたいことを言う
文法書やTOEIC対策本など、与えられた文法問題や読解問題を
機械的に解くことも、もちろん、正確な英語を身につける上では重要。
だけど、英会話はあくまでも、自分を伝えるための手段。
受け身ではなく、能動的な活動です。
したがって、話せるようになるには、
たとえ完璧な英語ではなくても、とにかく自分で考え、
自分が言いたいことを英語で表現してみることが最も大事。
当たり前のことのようにも思えますが、これまでの学校や塾では、
十分トレーニングされませんでした。
だからこそ、英語を話せる人があまり育たなかったのかもしれません。
日本人に決定的に足りない、「自分でゼロから英文を組み立てる力」を、
日記や作文などのアウトプットを通して、
じっくりと身につけるといいでしょう。
「自分自身が言いたいこと」「自分自身の中から英語を生み出していくこと」を大切に。
受け身のクセがついてしまわないように。
そして、そのアウトプットを、文法や表現の面から先生に細かくアドバイスしてもらう。
「生徒のアウトプット」→「講師のフィードバック」→「生徒のアウトプット」→「講師のフィードバック」・・・
このサイクルを繰り返し、「自分を伝える力」を確実に磨いていく。
ところで、僕は、大人の場合、
レッスンをすべて英語で行う、ということは基本的にはしません。
限られたレッスン時間や、ほかに勉強すべき科目がたくさんある中で、
効率的に、そして確実に英語を身につけるには、やはり適宜、
日本語で細かいニュアンスを解説する必要があると感じるからです。
英語で生活する環境にある場合や、英語だけにたくさんの時間を
割くことができる場合は別ですが、短い時間で深い理解、
正しい理解を得るには、日本語での解説や確認は有効だと考えます。
「分かったつもり」を防ぐことができます。
ただし、一方で、英語を使えるようになるには、やはり英語で相当の
アウトプットをしなければなりません。
このため、やさしめの英文の音読・復唱・暗唱を徹底的に行い、
また作文(小学生は模写)や自由会話のトレーニングを
早いうちからたくさんこなすことが大切だと感じています。
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これら4つのポイントは、大きな方向性です。
学習する上で忘れてはならないポイント。
「世界に通用する英語」の細かい基準については、
また追って記事を書いていきたいと思います。