『ありがとう』

“私決めていることがあるの。

この目が物をうつさなくなったら目に、

そしてこの足が動かなくなったら、足に


「ありがとう」って
言おうって決めているの。


今まで見えにくい目が
一生懸命見よう、
見ようとしてくれて、

私を喜ばせてくれたんだもん。


いっぱいいろんな物
素敵な物見せてくれた。


夜の道も暗いのに
がんばってくれた。


足もそう。

私のために信じられないほど歩いてくれた。

一緒にいっぱい
色んなところへ行った。

私を一日でも長く、
喜ばせようとして
目も足も
がんばってくれた。


なのに、

見えなくなったり、
歩けなくなったとき、


「なんでよー」

なんて言っては
あんまりだと思う。


今まで弱い弱い目、足が

どれだけ私を
強く強くしてくれたか。



だからちゃんと
「ありがとう」って言うの。


大好きな目、足だから
こんなに弱いけど
大好きだから


「ありがとう。
もういいよ。休もうね」

って言ってあげるの。



たぶんだれよりも
うーんと疲れていると
思うので……。”







私、それまでそんな風に思った事なかった。

眠れない自分に
イライラして

死んじゃえ!なんて
手首を切ったりもした。


そんな時でも、
私の心臓は


生きよう、
生きようって、

一生懸命動き続けて
くれていたのに…。

手だって、足だって、

ドアを開けて、
好きな所へ連れていってくれたのに…。


感謝ってさ、

ずっと、
誰かにする事だって
思ってた。


だけど違うんだね。


感謝って、

自分自身へもしなくちゃ
いけない事だったんだ。





そう思って、

自分の胸に
手をあててごらん?


心臓が
ドクン、ドクンって
言ってるでしょ?



生まれてから
今日までず~~~っと、

あなたの中で
動き続けてくれてる。



どんなに苦しくて、
辛くて、寂しくて、

死んじゃいたい
なんて考えて、

手首にカミソリを
当ててる時でさえも、



頑張れ!って、

まだ動けるよ!って、

大丈夫だよ!、って、



一番近くで、
あなたを応援しながら、

昨日も今日も、
きっと明日だって

動き続けてくれている。




だからね、

もっと自分自身を
愛してあげてほしいな
って思う。


うん、思うよ。



だって、
あなたの中には

頑張り屋の誰かさんが


今日もせっせと
働いてくれているのだから。