不思議な事に、死を決意してそこへ向かっていると言うのに、家を追い出されてからずっと止まらない頭痛を治したくて薬を飲んでいる。
そして自分の子供たちを見ることができないというのに大学で子供達に教えに行こうとしている。誠心誠意学生たちをみれば、誰かが誠心誠意私の子供達を見てくれるという幻想だけがモチベーションだった。
今現実感がまるでない。

さて次男の続き。
次男が産まれてから恐るべき事が起きた。
それまで毎日のように嫌がる長男にブッチューを繰り返していた妻母が、全く長男に見向きもせず次男だけを見るようになったのである。もちろん妻も乳児の世話にかかりきりだし、これは妻父もそうであった。中でも妻母は露骨で、次男を自分の子供のように扱った。
これでは長男が壊れてしまう、と思い、あえて私は長男の相手ばかりして、長男に私だけはお前の味方だぞ、と感じさせるようにした。
結果的に大学生になった長男は今も私のいう事だけをきく。特に妻父母は完全にシャットアウトしている。
そのせいで私が家を出てから長男は妻父母のいる間はリビングに行けず食卓にも行けず、1番の成長期を家に住みながら食事にありつけない日々で過ごしてしまった。
妻は長男が勝手にやっている事として対応さえしなかった。
おそらくこの一族は全員アスペルガー的な気質がある。自分がよければ良い。他人の立場には立てない。子供の気持ちさえ。
なぜなら自分にとってはこの生まれ育った家が居心地が良いから。
だから私や長男にとって嫌なことを理解できないのだ。

私は乳児から幼児にかけて次男に全く触らせてもらえなかった。なんなら妻母は妻から次男を取り上げてオムツ替えをするくらい次男だけを溺愛した。
これは小学生になって以降も続き、次男だけを連れてお出かけによく行った。
私は何度も怒ったが妻は
だってお母さんだもん
と、取り合わなかった。
着るもの食べるもの用意するもの全てやってしまう。忘れ物さえ学校に届ける始末。
こうしてまた自分の支配する人間をつくるのか、と危機感を感じ、次男をサッカーによって引き離す事にした。
次男は今でも自己主張や判断、行動に難を抱えてしまっている。
また私も妻母に育て上げられてしまった次男との関わり方に大きな障害が出来てしまった。
妻母の事からどうしても頭に血が昇って言いすぎてしまうのである。
次男は途中まで私は長男だけが可愛く、次男のことが嫌いなんだと思い込んでいた。
今はだいぶ解消したし、次男の勉強もサッカーも音楽も私が教え込んで伸びた。
が、やはりまだ次男にだけ厳しくなってしまう。私が乗り越えられないでいる。

次男を巡っては妻とも妻母とも何度も喧嘩をしたが、もちろん彼女たちは自分たちを顧みる機能がないので一切無駄で微動だにしなかった。

今も大切なのは自分たちの気持ちで、子供たちの気持ちは完全に無視、というより自分と違う事を理解できない様子だ。
宗教は恐ろしい。
自分たちが間違いなはずがないのだから。