凪だろうか。
夏になるとこの辺りでは凪がある。
風がピタリとやみ、瀬戸内の海は穏やかになる。
もともと穏やかな海なうえに、凪になると、それはそれは穏やかな時が流れる。
夕方になり、部屋の窓を開けていても無風状態。
夕凪だ。
この地方のこの刻を、とても愛している。
ただただ、カナカナと鳴くヒグラシの声が住宅地に響く。
家の窓を開放して、夜空を眺めているとどこまでも飛んで行けそうな気がする。
あっちの銀河系にはどんな星があるんだろう。
お婆ちゃんはどの辺にいるんだろうか。
おじいちゃんと会えたんだろうか。
静か過ぎる夜空に、耳が痛い。
もう無理だって泣いたこともあったけど、
今度会えたらちゃんと言いたい。
元気でいるよ。