昨日、しごとから帰って来ると、ポストに結社の歌誌『塔』6月号が届いていた。その6ページの岡部さんの一連より惹かれた一首を引かせて頂きます。



いつも淋しい雨の降りゐる歌集『庭』その木戸を押し夜毎訪ひゆく 岡部史




歌集『庭』は今は亡き河野裕子先生の歌集。そういえば、先週水曜日の東京平日歌会のあとの飲み会で、河野裕子先生の話題もたくさん出たのだった。今朝、岡部さんの一首をしみじみ見ていて、河野裕子先生はそういえばこんな一首も詠まれていたなあとふと思い出して、久しぶりに歌集『ひるがほ』を開いた。



うつそみを夜毎出でゆく魂魄は葬り処の土にまみれて帰る 河野裕子