昼御飯のあと、堂園昌彦歌集『やがて秋茄子へと到る』(港の人)を開いたら、p88の〈草原に愛を返せばどこまでも広く悲しい春雨が来る 堂園昌彦〉が目に飛び込んできた。頭のなかでひとりの女の子のひとつの物語がゆっくりと展(ひら)かれてゆく気がした。



草原愛。女の子の名前である。