十代の頃の私は、遠藤周作氏の作品と北杜夫氏の作品のどちらが好きかと問われたら、迷うことなく北杜夫氏の作品と答えていた。なぜだか私の眼には遠藤周作氏の作品のよさがなかなか見えてこなかった。それが、すこしばかりの人生経験がそうさせたのか、近頃ではまったく変わった。熱烈に遠藤周作氏の作品の方にいまは惹かれている。今宵は、町田市民文学館で求めた遠藤周作氏の文学に関する図録を興味深く眺めています。