日々の新聞第135号寺山ワールド(http://www.hibinoshinbun.com/files/135/terayama_135.html)で、郡山市立美術館学芸員菅野洋人氏が、寺山修司氏の遺作映画『さらば箱舟』のなかの有名な台詞「百年たったら帰っておいで、百年たったらその意味わかる」について、〈「百年たってもいまと同じなんだ」という意味〉と解釈されていますが、私には、寺山氏のこのことばは、〈いまの読み手や観衆には(私の作品の本質は)すんなり理解されないかもしれないが、百年たったらきっと理解されるはず。私はそういうスタンスで作品を作ってきた〉という独白に聞こえます。なんとなく、作曲家高橋悠治氏が評論家秋山邦晴氏から〈あなたはなぜ作品を作るのか〉と訊かれて〈いまの人類が滅んだあとの地球にやってくる新しい住人に聞いてもらうために〉と答えていたのと近い感じがします。




今朝、歌誌『塔』2月号が届きました。そこに掲載して頂いた私の4首です。。



新聞売りスタンドは地上の暗黒の様子を連日伝ふるものばかり


モーツァルトの脱いだ下着が干してあるplatform(ホーム)の脇の美術館跡


バルトーク『ピアノ協奏曲第三番』に流れてゐる小鳥の声を書き留めなさい


これが私が地上で最後に聴いた小鳥の声です。停車場ホームのベンチで