年度が変わった直後の4月某日、駅前を歩いていたら、某不動産ディベロッパーに声をかけられた。

 

今まで不動産といえば投資系にしか街頭で声をかけられなかったので、最初は怪しんでいたが、今回は本当に居住用物件の話で、そこは安心した。

 

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※去年は(たぶん)ワンルームマンション投資の営業マンの話を聞いたが、申し訳ないが、怪しさしかなかった。

さらにその前は不動産会社女性スタッフに声をかけられたが、検索してみると「デート商法」と出てくるような会社だった。

いずれも社会勉強として興味本位で話を聞いてみたけど、その後連絡シャットアウトさせてもらうことに。。

 

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「家の購入予定はありませんか?」ということで、「いや、特にないです」と言ったが、一応アンケートに回答し、流れ的に店舗に誘われて営業マンの話をとりあえず聞いてみることに。

 
土曜に声をかけられて、翌日曜にも店に行ってみたが、結論として、先方は駅近の4000万円前後の新築戸建て(3LDKレベル)を売りたい模様。
 
理由、意図としては、以下である。
①マンションは10年前などに比べて値段の高騰幅が大きい。戸建ての高騰幅はそれよりは緩やかである。
 
②戸建てというと、一般に駅から遠い物件が多いが、我々は駅近物件を主流に販売している。
 
③単身者でも、3LDKなどファミリー層向けの間取りの物件をお勧めしている。1人暮らしにはあまりにも広すぎるが、地価の上昇が期待されるため、出口戦略としてリターンが見込める。
 
④住居費+教育費が手取り収入の5割に収まるようにすると良い(6割になってくると生活が厳しくなる)。
 
⑤中古の戸建ては、安いのではなく、広い。土地が広い傾向にあり、地価の上昇に伴い、新築よりも高い場合がある。
 
まず、①については、その通りであると思う。聞くところによれば都内のマンションの平均売却額は1億を超えているらしい(たぶん新築に限った話だと思うけど)。えーーーー。。
 
一番参考になったというか、価値観として驚かされたのは、③。
単身でも資産性重視で、ファミリー層向け物件を買うという発想がなかった。特に都会だと地価が(リーマンショックなどを除き)ほぼ一貫して上昇している。都会だと購入額に占める土地代の比率が高い傾向にあるため、資産性を保ったまま、将来的な売却が可能ということらしい。これは勉強になった。
 
ただし、最も違和感を覚えたのは④。
そもそも私の現在の年収は500万だとアンケートに回答していたが、4000万の物件を提案してくるのが内心驚きだった。
 
そりゃ、おそらく銀行の審査は通るだろうが、返せるかどうかは別問題。
私は(フルローンを組むとして)年収の5倍までが安全帯、年収の7倍になると相当節約を工夫する必要がある、という考え方なので、8倍というのは住宅ローン破産が見えるラインである。
 
40年ローンを組んだとして、私の場合、月々の返済額が手取りの38%くらいになるって、ちょっと高いですよ。。。別途、固定資産税だってあるわけだし。
 
しかも、こういう場合の営業トークは変動金利で金利を低めに出していることが多い。金利は0.1%上がるだけで、月々の返済額は万単位で変わってくる。今後金利は上昇していくであろうことを考えると、楽観的な見方と言える。
しかも、修繕のことも楽観視されている。修繕のことについて聞いてみたら、「25年に1回くらいのペースで、100万くらいになることが多いと思います」と、さほど大きな問題ではない、みたいな言い方だったが、もっとかかると見積もっておくべきではないか?
さらに、今後、給与は上昇する前提で考えて良い、という話もあったが、休職リスクもあることを考えると、ちょっとお花畑ではないだろうか?私は今はありがたいことに入社以来右肩上がりの収入ではあるが、将来的に転職して年収ダウン、ということもあり得ない話ではない。
 
住宅購入をするとき、まず物件から探すのは間違っている。先に物件を見てしまうと、概ね予算が肥大化しがちと聞く。
まずは資産計画を考えるところから始める必要がある。
 
今の私の家賃+管理費は手取りの約2割程度に収まっているので、圧迫感は全くなく、十分安全圏。
持ち家は自分の資産になるので、単純比較はできないだろうが、下手に高い物件を買うと、住宅ローンを返すためだけに仕事をするような生活になりかねない。
 
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また、今回、ディベロッパーの案内で実際に2件、戸建て物件の内見にも行ってみて、色々勉強になった。
 
最近の戸建ては、土地が狭いので、どうしてもペンシルハウスになりがちなようだ。細い。
 
いずれも、3LDKで3階建て。ガレージつき。リビングルームとキッチンは2階。トイレは1階と3階。
手すりがあるとはいえ、傾斜がちょっと急だと感じたので、高齢者だと次第に1階でしか過ごさなくなりそうだ。
老後に住むには適さなそうで、買うにしても、100%売却前提である。
 
なお、ガレージつき物件が良い、というのは、出口戦略的にはその通りな気がする。
23区の都心部でない限り、郊外のファミリー層が休日に出かけるのに電車は大変なので、自動車で移動したいという需要があるだろう。