東京新聞2023.03.25夕刊より、「中国大使の離任面会断る 岸田首相、世論硬化に配慮」。
日本政府が二月末に帰国した中国の孔鉉佑(こうげんゆう)前駐日大使からの岸田文雄首相に対する離任あいさつの申請を断っていたことが二十五日分かった。歴代大使の大半は離任時に首相面会を受けており、岸田政権の対応は異例。慎重な対中姿勢が浮き彫りになった。硬化する国内の対中世論に配慮したという。複数の日中関係筋が明らかにした。
関係筋によると、日本政府は一月ごろに中国側から孔氏の離任に際した首相との面会の希望を打診された。その後に「日程上の都合」を理由に受けられないと中国側に回答。林芳正外相が代わりに孔氏と面会したが、外務省は公表を見送った。
沖縄県・尖閣諸島周辺での中国の活動や中国の無人偵察用気球とみられる物体の日本上空飛行などの問題で国内世論が硬化したことが影響した。
日本政府関係者は「首相と大使は対等ではない。外交儀礼上は何ら問題ない」と説明。日本の前駐中国大使の離任時に習氏ら最高指導部との面会が実現しなかったため日本側には「相互主義の対応を取る必要がある」との判断もあったという。
二〇〇一年以降、孔氏より前に駐日中国大使を務めた五人のうち首相に面会できず離任したのは、〇七年の王毅(おうき)氏(現共産党政治局員)のみ。当時の安倍晋三首相が突然辞意を表明した時期と重なった。(共同)
実は大使が離任する際に首相が面会する慣例になっているということ自体初めて知ったのですが、このような対応はいかがなものでしょうか。
世論が硬化しているのは事実でしょうけども、だからといってよりいっそう硬化させるような姿勢は望ましくないものと思います。
「世論硬化に配慮」などと言っていますが、硬化した方が軍事拡大賛成が増えるという打算があるのではないでしょうか。
中国共産党との外交は実際、一筋縄にいかないでしょうけども、対話の道を閉ざすような印象を与えるようなことは控えるべきです。軍事拡大にばかり頼る岸田政権のあり方に疑問符がつきます。