7月10日、納豆の日は投票日。
ザザ読みとザザ書きですが、公約の感想をば。
■自民党 この道を。力強く、前へ。
まず非常に総花的な内容。色々と書いてはいるが、反発を受けないようにするためか、当たり障りのない抽象論が多く、個々の政策の具体的記述が殆ど見えない。
内容もこれまでの政権運営と整合性が取れないものや、他項目と矛盾性の高いものが多く、欺瞞的である。
例えば、
→TPP推進、農林水産業の2020年度輸出額1兆円を目指す一方で、自給率向上。夢と希望の持てる農政新時代を謳う。
→アベノミクスでトリクルダウンが機能しているとは言えないにも関わらず「成長と分配の好循環」。
→高度プロ推進の一方で、長時間労働是正。
など。
何より自民党最大の本音である憲法改悪について、事実上ノータッチなのが大問題。これまでもそうだったが、与党については書かれていないことの方が本質であり重要。公約を真に受ける正直者はバカを見るだけであり、読んでも大した意味はないと考える。
ただ参考になったところとしては、文化庁の京都への全面移転、ほか中央省庁の地方移転の実証実験や、(意図が理解不能だが)女子中高生への理数系教育強化、など。
■公明党 希望が、ゆきわたる国へ。
まず与党であるにも関わらず、現状認識やこれまでの政権運営についての総括が示されていないのがかなり問題。
感想は、基本的に自民党と同じ。特に憲法について文字通りノータッチなのは卑怯極まりない。
■日本のこころを大切にする党
公約は非常に短く速攻で読める。自主憲法制定や§96、緊急事態条項の記述がある分、自民党よりまっすぐであり、良心的である(褒めてません)。
「日米地位協定とガイドラインの見直し」を謳っているが、どう変更するかについては記述なし。改善方向ではないことは確かな様である。独立自尊を謳うが対米追従は変わらぬ模様。
経済面では、2030年までに名目GDP750兆を目指すとしているが、お花畑だろう。
次世代の党から党名変更をしたのは、(kazuyaくんも首を傾げるなど)全くの謎であった。党首だった平沼が離党して自民に復党するなど、政党として結束力がなさすぎである。数年後には消滅しているだろう。
■幸福実現党
「愛してるから、黙ってられない」というスローガンには一応共鳴させて頂く。愛の対象が全て大川隆法総裁先生でないことを切に願う。
目指す方向は非常に鮮明でわかりやすい。これは取り柄である。
かねてより消費税の存在そのものに反対。その他、相続税と贈与税の廃止、所得税の最高税率の速やかな引き下げ、法人実効税率の20%程度への引き下げなど、減税のオンパレード。とにかく政府の介入を嫌うため、最低賃金の引き上げや同一労働同一賃金の法制化に反対。
というように、レッセフェール超重視に偏りすぎており、労働者の権理という発想や、格差是正という社会的公正については無頓着である。その圧倒的なお花畑ぶりから、2030年代に名目GDP1500兆円を目指すとしているが、規制緩和の連続では格差が拡大し、経済成長の阻害要因となるのではないか。規制緩和万能的、減税万能的な姿勢は危険極まりない。また「TPP推進」だが、日本を「愛してる」のであれば反対すべきであろう。
小さな政府を党是とするが、軍事において大きな政府志向なのは変わらず。同盟は当然堅持し、防衛費は現状の2倍以上に。自衛隊の宇宙対応能力の強化などを主張する。
対外関係で勉強になった点としては、ロシアとの関係強化を訴えるところ。ロシアの人権状況も決して褒められたものでないが、とにかく国際的に中共包囲網を築きたい思惑があるようだ。
また、小選挙区制廃止は共感。対案として中選挙区制を提唱している。
左傾化した安倍政権への対決姿勢を打ち出しているが、この対立軸を意識する有権者は殆どおらず、今度もまた巨額の供託金を没収されることになろう。
■おおさか維新の会
スローガンは「古い政治を壊す。新しい政治を創る」。
古い政治とは何かという問いが立てられるが、ひとつには「政治家のための政治が行われている」点が大問題だという。
その流れから相変わらずの「身を切る改革」。議員歳費三割削減、議員定数三割削減。前者はまあ賛同できるが、後者は議員の身分を私物化する発想で、民意を切り捨てるものであり論外。仮に実行したところで議員の資質が向上するわけでもなく、巨額が捻出できるわけでもなく、低レベルな政治的パフォーマンスにしか映らない。
国・地方の公務員総人件費を2割(5兆円)削減し、官民の同一労働同一賃金を実現すると主張するが、高いものを低い方に引き下げる発想が論外。
憲法改正による教育無償化を掲げ、意外にもその無償化は幼稚園・保育園から大学までという徹底したものになっている。しかしなぜそのために改憲が必要なのかは謎である。改憲と言えば、民進党と同じく憲法裁判所の設置を提唱しており、これは確かに議論の余地が大きい。
■生活の党と山本太郎となかまたち
谷亮子というクズレベルの議員がいた一方、山本太郎という高戦闘力の勇者がいる党。十中八九政党助成金目当てで、政党としての存在感やまとまりは感じられない。
政党としては支持する気はないが、山本太郎は強く応援したい。
公約は非常に短いというか殆ど中身ゼロなので特筆することなし。山本太郎に期待している。
■支持政党なし
色々と話題の政党。
以下のリンクが参考になった。
私は支持政党なしを支持する気なし。
http://a.excite.co.jp/.../20160703/sum_Buzzap_37560.html...
■社民党 アベ政治の暴走を止める
全体的な方向性では賛同できるものが非常に多いと考えるが、色々と並べている各項目について、個別具体的に突っ込んだ記述が不足している印象。例えば平和創造基本法、医療基本法、地方自治基本法の中身等がよくわからない。子ども庁、若者庁の創設等も提唱するが、名称以上の実質的な提案ではないかと。
特徴的だと感じた政策方針は例えば以下。
・中小企業の法人税率を恒久的に11%に。
・重要な政策決定の場に労働者代表を参画させる。
・自衛隊内部の人権侵害を防ぐための自衛隊オンブズマン。
・クオータ制などで女性議員増。
・育児休業のパパクオータ。
社民党というと福島瑞穂氏のイメージが強く、他の顔がなかなか見えない印象。吉田党首は素人目にも論戦力が低いのは明らかなので頑張ってほしい。全体的な政策方針は支持している。
■民進党
旧民主党時代は暗黒だったなどという人がいるが、安倍政権時代よりかはプラス要素があったかと。
100頁以上の長い公約。色々な方々がいるのでまとめるのが大変だと思うが、もう少しメリハリのある内容にして頂きたい。多くの有権者は読む気が失せるのではないか。私も結局全部は読めていません。
議員定数削減や、(今回の合意については反対ながら)TPP推進、法人税率引き下げ、などの点は賛成できないが、賛同する政策方針も多々あり共闘で実現してほしい。
分配と成長の両立に共感。
軽減税率には反対で、増税分を中低所得者に払い戻す給付付き税額控除を主張していたのは、初めて知った...
(当然のことながら)2/3阻止を打ち出し壊憲勢力を牽制しているが、緊急事態条項については白黒言っていないのがかなり気になったところ。あと辺野古についてはかなり玉虫色の文言。
■日本共産党 力あわせ、未来ひらく。
他党に比べ対立軸を鮮明にしている点や、現状の問題点を十分に指摘している点が評価できる。
特に画期的なのが財源提案で、それが実際に正しいかはともかく、数字を明確に算定しているのが非常に良い。