2015年になってしまいました。
怠惰に過ごそうと勤勉に頑張ろうと、カレンダーは関係なく進んでいくのが怖いですね。もうちょっと14年のままであって欲しかったと思っています。

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もうすぐ試験という恐怖のイベントが待っている中、冬休み中は帰省先の実家で試験勉強は一切しませんでした。ヤバイね。

かわりにDVDをたくさん借りてきて見ていました。
中でも94年のルワンダ大虐殺を描いた作品は見て良かったと思えるものでした。

*一応確認だが、ルワンダ大虐殺は、94年4月上旬の大統領機撃墜を発端として勃発した、フツ過激派によるツチ及びフツ穏健派の大量虐殺(ジェノサイド)。ルワンダの人口がだいたい750万の中で、80万とも100万とも130万とも言われる数の人が約100日間で犠牲となった。特に前半のジェノサイドスピードは凄まじかった。殺害にあたっては、主にマチェーテという山刀や銃火器が用いられ、死体が至るところに転がり、国土が血の海と化した。強姦も起きた。手を下したのは主に隣人、地域の住人である。

ルワンダ大虐殺に関しては、『ルワンダの涙』と『ホテルルワンダ』という有名な2本の作品があります。見たことのある人もいると思います。

ルワンダの涙は、欧米人目線で描かれており、救えなかった命の話。
逆にホテルルワンダは、現地人目線で、救えた命の話。

両方見ましたが、僕のおすすめは『ルワンダの涙』です。

欧米人の主人公ジョーは私たちと同じ目線、或いはジョーは私たち自身かもしれません。
そこから見える地獄絵図の再現は見るべきだと思います。

ホテルルワンダは、ホテル副支配人の奮闘によって、彼の家族含め1000人以上が救われたという話ですが、こうした例は極めて稀であり、その意味でハッピーエンド。しかし殆どの人はルワンダの涙の様に、国連にも見捨てられフツ過激派に虐殺されました。いや、彼ら彼女らは一時的には技術学校に避難し安全だったから、まだ良かったとさえ言えるかもしれません。

ルワンダの涙の方が、殺害シーンの描写もしっかりしています。とはいっても、いうてそんなには怖くないですが。本当の光景は頭で想像するしかなさそうです...

独立後も継承されてしまった、旧宗主国が仕掛けた民族対立、憎悪感情という負の遺産。それがある事件を本格的なトリガーとして爆発すると、こんなにも悲惨なことになるのかと、ショックでした。

ドイツ、ベルギー両国民は大きな過ちについて、どう考えてるんでしょうか...過去に向き合ってるんか...

そう思うと同時に、思い出したのは、昨年12月のピース9ナインでの志葉玲さんの言葉。ガザの実態報告をした上で、「一番悪いのは、日本を含めた国際社会。黙って何もしない社会。私たちは戦争犯罪を前にして、何をしてきたのか?」と語りました。19日は、間違いなくこの言葉が一番刺さりましたね(DVDを借りるときも無意識の内にこれが頭の中にあったと思います)。世界情勢にあまり興味のない僕は、やはりガザの状況についても無知無関心。大虐殺のことも殆ど知らなかった...反省して学習しないといけない。

ルワンダの悲劇を黙って見ている国際社会。ジェノサイドと認めない国。当時、日本のTVでも食卓の時間、報じられたはずですが、「うわー、コワいね」程度の反応で終わってしまう人が多かったのではないかと思います。人がゴキブリ扱いされ、木や草の様にバッサバッサ叩き斬られているのにね...

高遠さん曰く、「日本は海外の情報が少ない」。僕は「異常」の中にいるために、その「異常さ」がわからないのだけれど、しかし日本では一般的に言って、とりわけアフリカのことは忘れ去られがちなのではないかと思います。とりあえずアフリカ=怖い・内戦ばかり、というイメージの先を知ろうとしない。遠い国で肌の黒い人がたくさん死んでいても、無関心のままでいる。これは犯罪ではないか、そう思わされました。

アフリカに限らないけど、やっぱり戦争や紛争、虐殺についてしっかり学習して考えることが大切だと思いました。「平和、平和、平和」と何百回連呼しても無意味。平和について考えるということは、取りも直さず戦争について学び考えるということだと思います。今年がちょうど区切りのいい年という理由からではなく、それは常に未来に責任を負う私たちに求められていることだと思いました。

付言すると、今の日本の教育ではそういうことが非常に不足しています。歴史教育も極めて不十分。アジア太平洋戦争に入る前に時間切れになる。やったとしても触り程度。現代史も扱わないから、ルワンダやシエラレオネやダルフール紛争も知らない奴が量産される。こんなんでいいわけがない。

人類の歴史は戦争の歴史とよく言われます。ならば、歴史教育の最大の眼目は、最大の人権侵害たる戦争を繰り返さない社会をつくることであるべきだと思います。我が国はその点でもおかしい。他の国はよくわからんけど、多分不十分だと思います。課題が多いですね。