民法の型を使って解くので、設問3をやります。(問題は各自で参照してください)
設問では2つのことを聞いています。
①XA間の法律関係
②YZに主張できること
①についても②についても基本的に同じ道筋で考えられます。
①を聞いているのは、基本的にAとしてはYZに金銭請求することが予想されますが、それはXA間の法律関係によって決まるので、XA間の関係を先に確定する必要があるということでしょう。
ですので、①も②も同じようにXが「請求できること」を考えれば良いです。
例えば、保証人Yへの請求は、Aに請求できる債権がなければ請求できない、ということは簡単に思いつけます。このようにAへの請求の範囲でXのYZへの請求が決まってくるので、先にAとの法律関係を確定するということでしょう。
ここでわざわざ「法律関係」という言葉を使っているのは、もともと法律で扱うのは単なる希望ではなく、「法律的に認められる希望」であり(これが「請求」です)、極端な話、お金を返してもらえなくて「むかつく」とか「悲しい」というものは主張、請求できません。
あくまでも「XAとの関係において法律上請求でき、また問題となるものは何か」ということが必要なので「法律関係」を確定せよという指示になっている理解でいいんじゃないでしょうか。
さて、ではAから順番に考えていきます。
1①譲渡担保権の行使 ← A反論:今回明らかに不履行なので反論できないでしょう
1②貸金債権の行使 ← A反論:同上
2についてはとくに思いつきません(択一で思い出せるものがないという程度)
3については、解消の必要がないでしょう(ここは「小技」で掲載します)
4①返済をしていないので、遅延損害金として損害賠償が発生します→本問では割愛できます
5①ここもなしとなるでしょう(2と同様)
5②不当利得返還について
「不当利得」+「債権2重譲渡」という場面で思いつく択一知識としては
「弁済を受けてはいけない債権の弁済を受けた」又は「対抗関係で劣後する者に対しては請求できる」場合には発生する、という典型知識があります。後者はZに対しての関係ですので、はずして、Aについて考えると、弁済を受けたという事情がありません。
しかし、今回では債権譲渡について、「値段入り」で示してあるので、このあたりで、場合によってAは弁済を受けた同視できるということで「利得有り」といえる事情がありそうにも見れます。ここは、ちょっとややこしそうなので、ここは「考える」項目として後にまわします。
さて、一旦この段階で機械的な処理とします。
まず上記のようにA反論を同時に考えた方が楽でしょう。
特に、今回のように比較的判断しやすいものであれば、同時に考え付けるでしょう。
ところで、今回は「法律関係を検討」とあるのに、Aの反論を考える必要があるのか、ということが気になりそうですが、考えた方が良いと思います。
結局は、Aとの関係は、後のXZに関係しますが、もし、Aに反論されて請求できないことが出てくれば、これがYZの請求に影響があれば当然、ない場合でも、「影響がない」としてYZには請求できる点を論じる必要があるでしょうから、Aの反論はいずれ後の論点に影響がある場合が通常だからです。
では、確定したものをベースにもう少し細かく考えてみます。ここでは、①条文②定義③論点の順に思いつくことを書くとい建前ですが、基本じゃ「択一知識」で良いでしょう。思いつく論点は?という視点で考えます。前期3つの順については念頭においておく、というくらいで十分です。また、考察段階では、もうAの反論は考えなくてもいいでしょう。
1①譲渡担保権の行使
有効性:将来債権の譲渡担保
→{重要}債権譲渡登記という制度を使っているから、条文要件の検討によって判断すべき(論点ではない)
実行要件:1②の事情で決まるだろう
範囲:「債権譲渡担保」と「請求範囲」で思いつくもの→①既発生債権なら②物権の請求不可分性により全部
1②貸金債権の行使
請求できるに決まっている(債務不履行は確実)→「期限の利益喪失特約」より残債務(2000万円)すべて
→{重要}1①の前提として1②が必要であるので1②から先に書くべき
{重要}5②不当利得について検討
上記の{重要}という点は、「型」の順序」を変える事情であったり、気をつける点であったりしますす。
このような事情により、構成を決めるときは、「型」どおりにいかにでしょう。もともと論文が「型」どおりにいかない、と思われるのはこのような事情だと思います。
しかし、とりあえず論点を抽出しておいて、思いつけることを書きます。そのあと、実際に答案化するときに、もう少し構成を練るでしょうし、それぞれの問題の関連を考えるでしょう。
その「考えるべき部分・時間」に考えれば良いわけで、いいかえれば、そのような状況を絞り込むために、とりあえず、問題文事情で形式的に出せることは出して、知恵を使う部分を少しでも明確に、迅速に、少なくするために用いるのが「型」という感じです。
さてあとは、上記で考えたことをベースに問題に沿って構成を決めます。型どおりいくなら、そのまま構成でいいと思いますが、今回は順序をはじめとして「考えるところ」があるので、順序よく並べながら考えを入れていきます(ベースがあるので少しやりやすい)。
1②から始める:Aは債務不履行があるので、貸金債権を行使できる。ではその範囲は?
特約:1回遅延したら期限の利益喪失
→遅滞以降のすべてが確定
→3600万円借りて最初の2回×800万円払った→残債務(3600-1600=2000万円)
2000万円は請求できる。ただXは催告しているがAは払わないので、実効性が期待できない。
1①の事情:Aへの実効性は期待できないので履行を満足するものとして譲渡担保の行使が考えられる
〔→有効性:判例と該当法律の条文を見る限り8条2項3号の反対解釈と同4号により大丈夫〕
→実行要件:1②から実行できると考えられる。
→範囲は非担保債権の額に関らず既発生担保対象債権の全部である(物権不可分と譲渡担保の性質)
→今回、全部でAはBに4回製品を売って4本の債権(計:3600万円)は請求できそう
しかし
ⅰ)債権は譲渡されていてAの下にない→Aとの法律関係において実行できる担保がない?
ⅱ)Bが第4回目について解除している→債権はなくなるのではないか・
→故に、ここは「考えざるを得ない」
→ⅰ)はZとの対抗関係→次の設問(②)で考えて後でこっちにもってこよう(あけておく)
→ⅱ)解除は適法っぽいしBとの関係は次の設問(②)で論じないのでこっちでやっつけておく
→「債権譲渡」と「解除」で思いつく論点は「解除原因たる契約が対抗要件前なら」解除者の勝ち →対抗要件を備えたのがいつかわからない(特例法の内容がわからない)の条文参照が必要 →条文みると4条2項で債務者については通知がが対抗要件となっている(10月8日時点) →Bの解除原因たる契約の方が早いので、Bの勝ち。 →解除部分についてはAは請求できない。よって債権額は3200万円 [事後編集]異議なき承諾を忘れているらしいのであとで編集
5②不当利得 Aが受領してはいけないお金を受領していればこれにあたる。「二重譲渡」の関係でいけば弁済がこれにあたるが、Aは弁済は受けていない。しかし、「弁済」というキーワードと問題文のヒント(譲渡金額が付してある)という点から、譲渡によって得た対価がこれと同視できそう(類似知識の参照により導く。「小技」にて) そこで、不当利得かどうかを判定するために「条文」から考えていくと、「法律上原因がない」利得ならこれにあたる。では、ここでの法律上原因がなく、譲渡金を受けた場合とはどういう場合?と考えると、「譲渡してはだめなものを譲渡した」場合ということだろう。 では、譲渡してはいけなかったといえそうな根拠はあるかというと、「担保の対象たる債権であった」ということだろう。そこで、「債権譲渡担保」の性質を考えると、債権譲渡担保においては、既発生の債権については「当事者間では」担保対象となるから、これを安易の処分することは許されないと考えられる。よって、譲渡は法律上原因がなく、不当利得となりそう。尚、Zとの対抗関係を問題としなければならなそうだが、あくまでもXA間の法律関係であって、「当事者間」で請求できることを考えれば良いと考えると、Xに不当利得返還できるとしてとめてよさそうである。そして、そう考える限り、返還請求額は譲渡額となる。
こう考えると、一つ内容に不備があったと思われる。それは、譲渡を原因がないものとするなら、これは「不法」となり、不法行為責任を追求できそうである。そこで、少し考えると、債権者の債権の帰属を害する場合債務者は不法行為責任を負うという知識が「とこかにあった」ような気がする(多分あってるだろう・・・)。 よって、5①不法行為を追加しておこう。債権額は良くわからないから、請求できるとだけしておこう。 |
本問では上記の枠内の部分がちょっと「考えるところ」でしょう。ただ、これは文章なので長く感じるが、実際やってみるとこの部分だけで5分は使わないし、特別な知識は使っていません。もともとは「型」の中にある「不当利得」と「不法行為」ということをベースに択一で思いつけること+αなので、「無から有を作り出す」ということにならりなりません(そうならないための「型」)
そして、途中で間違っても、上記のように後で気づいたときに修正すればよく、この場合も「型」があることで気づきやすくなります。
更に、もっと上の上記〔〕の部分も、よくわかっていません。というのは、私自身、この法律の存在は知りつつ、初めて条文をひいたのがこの記事を書いている最中です。しかし、これは本番で出くわした「わからないもの」として自分なりに処理してみました。
この点の考える道筋は「小技」で掲載しますが、大まかに、有名な有効性の判例を思い浮かべつつ、条文があるから、この点が条文で解消されているだろうなぁという視点で考え、もし、条文で書くことが発見できなければ判例理論を書こうかな、という感じです。
また、条文解釈も自分なりの視点ですので、実は現段階では模範解答を見てみないと正しいかどうかわかりません。ちなみに、「有効性」を書こうと思いついたのは、有名な判例の「択一知識」からです。
債権譲渡担保といったら真っ先に思いつく論点です。だから、これを挙げておき、ただ今回は「法律」があるので、これはどう処理すべきか、これを「考えた」わけです。
総合的な結論としては、条文がある理由は、「論じないでね」という意味だとうと思われるので、端的に「法律上適法だが・・」みたいな形で書いて進めれば良いと思われます。
以上より答案構成をつくると
1.Aは期限に返してない→期限利益喪失→残債務確定(2000万円)
→Xは契約に基づき、Aに
2.しかし、それを担保するための担保権がある
→今回の担保は債権譲渡担保であり、契約内容からする不履行のAにはこれを実行できそう。
→ただ今回は将来債権の譲渡であり、この点で有効要件が気になるが法文によりOK
→有効との前提で考えた場合、どの範囲で請求できるか
→①既発生債権であれば②担保物権不可分の原則より全額OK→3600万円
(1)→ただ、全部Zへ譲渡し、債権がなくなっている→実行できる?
→Zとの対抗関係によるので、詳細後述。ただし、額は「○○」(←あけておいて後で入れる)
(2)→Bが最後の債権の原因を解除しているがそうなるとこれは請求できないのでは?
→解除原因が対抗要件具備前であれば解除できる
法文によればXの対抗要件は登記時→A勝ち?→不当
将来債権の場合、判例も参照にして、債権確定後の再度の通知で対抗要件となる
→とすると10月時点でのBへの通知が対抗要件
→解除原因たる契約は対抗要件の前→Bの勝ちで債権消滅→よって500万円は消える。
⇒あとで合計「○○」
3.今回債権発生後は、債権は担保内となる
→Aは勝手に処分してはだめ
→Aの譲渡には法律上原因がない→Aが得た対価は不当利得(
→これを返還請求できる(2050万円)
→このやってはいけない処分で債権回収が困難になった部分は不法行為
尚、書きすぎの部分があっても大丈夫です。それは、後続論点(②)を書く時に、前記参照として後半を省略すれば良いからです。もし、それができないなら、文書を短くするか、最初から飛ばすか、もともと省略できないかですので、いずれにしても構成しきるしかないでしょう。