こんにちは。

社会人ホルン吹きで、アレクサンダー・テクニーク教師養成課程在籍中のなべけんです。

もう随分前からひどい肩こり持ちですが、この２、３年で「凝り」を通り越して「痛い」になってきてしまっています。

音大に入って、楽器の練習量が数倍になったことも多分に影響していると思いますが、今日はそんな「肩痛い」話から、楽器の持ち方のクセにつながるお話しをご紹介しようと思います。

○「なぜ痛いか」を考えてみる

前にも書いてますが（肩を痛めました…〜肩の関節構造と上手な使い方〜）、日々とっても肩が痛いです。

特に左肩がダメなんですが、回すだけでバキバキ鳴ったり、内側に突き刺さるような痛みが収まらなかったりと、結構辛い感じです。

病院行ったり整骨院行ったりしてちゃんと治療する、というのも大事なことですが、怪我したとかぶつけたとかというわけではなく、日常生活の中で痛くなったものなので、こういう時は、「何してると痛くなるのだろう？」「どういう使い方をしてるだろうか？」と考えるようにしています。

で、分かっているクセが以下の２つ。

・仕事（PC作業、鉛筆で字を書く）の時、肩が上がって首が詰まりがち

・楽器を持つ時、肩・腕を後ろに引きがち

この２つは、他のなんてことない動作（歩くとかご飯食べるとか）の時にはやっていない動きだな、ということに気がつきました。さらに、この２つのシチュエーションの後は特に痛みが増すので、おそらくこれが悪さをしている動きなんだな、と思います。

発想の根っこには、「人間の身体は、本来機能的に作られている」というアイデアがあります。

アレクサンダー・テクニークでは「使い方が機能に影響する」という原理で紹介されますが、もともと持っている機能を、妨げるような使い方をしているが故にうまく行かなかったり痛みが出たりすることがあるので、どういう動きに変えることができるか、という視点で見ていくことを常に念頭に置くようにしています。

○肩が上がる・肩を引く

肩を上げる（＝挙上）・肩を引く（肩甲骨が内に寄る＝内転）動きは、肩甲骨と筋肉の関係を見ると分かってきます。

挙上と内転に関わる筋肉は主に、

・僧帽筋（特に挙上は上部繊維の収縮）

・菱形筋（挙上・内転両方）

・肩甲挙筋（挙上）

※PRiCO（ぷりこ）さんによるイラストACからのイラスト

見てのとおり背中側の筋肉で、首や背骨にも繋がっているので、あんまり使いすぎると首の血流とかにも影響ありそうです。

それと、自分の習慣で肩を上げる・引くと同時に頭が後ろ・下方向に少し引っ張られるので、これも余計に首・肩が疲れたりする原因になっていると考えられます。

（というか、「頭が自由に動ける」ことが重要なアレクサンダー・テクニーク的には、むしろこっちのほうが悪影響が大きい気もします。）

特に僧帽筋は大きいので働きとしては重要なのですが、パソコン作業とか鉛筆を持つのには・・・そこまで頑張らなくてもいいかな？

ということで、机に向かう必要がある時は、

・頭が自由に動けること

・その動きについてくようにしながら、背中の筋肉が緩やかであることを許してあげる

というのを、気がつくたびに心がけるようにしています。

集中すると忘れてしまってまた力が入るのですが、思い出せるだけでも十分かな、と思います。

○楽器を持つ時は

一方で、楽器を持つ時もこのことは役に立つのですが、楽器は鉛筆よりはるかに重いので、筋肉をできるだけ使わずに持つというアイデアはあまり適当ではありません。

マウスピースを口元まで持ってくるためには、それなりの力を使って楽器を持ち上げ、自分の身体に引き寄せる必要があります。

ただ、楽器を持ち上げる・引き寄せるのに、「肩を引く」という動きを使ってしまうと、肩を痛めるだけでなく、呼吸という管楽器に最も重要な機能にも、あまり効果的でない影響を与えてしまいます。

試しに目一杯肩を引いた状態と、それを解除した状態で深呼吸をしてみて、息の入り方がどう変わるかを比べて見てください。

なので、楽器を持ち上げることに使える代わりのプランとして、なるべく「肘を曲げる」と「上腕」を使うことを考えるようにしています。

※筒井よしほさんによるイラストACからのイラスト

肘を曲げる筋肉は上腕二頭筋、腕を前に持ち上げる筋肉は三角筋の前部です。

肩そのものというより、文字通りの「腕」を使っていこう、ということです。

「物を持ち上げる」という目的に関して、肩・背中周りを使うよりも、腕を使った方が機能的だよ、という冷静に考えてみれば当たり前のような話ですが、よくよく考えてみるとそういう風にしていないこともあるかな、と。

こういう工夫で、肩こりが減ったり、演奏にもいい影響が出てくると、プランがうまく行ったなー、と思えます。

まあ、でも。

痛すぎてどうにもならなかったら、ちゃんと治療には行きましょう・・・。

〜おわり〜

肩痛いのと楽器の持ち方と。