そんなわけで(どんなわけで?)、離婚調停の話の続きです。
もう、細かい話は省きますが、こういうパターンでは、子どもの生活状況を聞きだします。
で、当事者双方の生活ぶりに深刻な負因がなければ、急いで子どもの生活を変えさせるようなことは、しません。
よく、母性優先とかいわれがちですが、結構お父さんも別居後がんばって子どもの面倒をみているケースは多いです。
最終的に、親権を決めなければならなくなると様々な要素を考慮しなければなりませんが、話し合いで決着がつくなら、子どもに生活環境の激変を押し付けないに越したことはありません。
「今いる子どものことは、責任もってみることを前提に、向こうの子どもとも今後会えるようなルール作りができないか?」
これが、双方に考えていただきたいテーマです。
離婚したいなら、してもいいけどさ、子どもとどうかかわっていくのか、真剣に考えていただきたい。
その考えを抜きに、気やすく離婚してもらいたくないですな。
そういう場を設けるのには、法廷よりも調停室のほうがいいだろう?
その時の代理人弁護士に言ってやりたかったですが、気が小さいので言えませんでした(笑)。
調停で話が決まれば、不服申立てはできません。
合意で決まる結論ですから、それに対する不服は、理屈上はあり得ないわけです。
せっかく判決が出ても、控訴されてしまって、結論が決まらず、だらだら手続が続く…なんてことは、ないわけです。
やれやれ、少年部に配属されていたのに、こんなに調停室に入って当事者と話をするなんて…そんなつもりじゃなかったんだが。
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気がつくと、その日の少年審判の期日の時間です。
審判廷に入って、少年が入廷し、腰縄や手錠を外させて、調査官に合図をすると、保護者を連れてきました。
入ってきたのは母親で、少年の隣に座ります。
母親は、ワンピースを着て、よそゆきの格好ですが、少年は捕まったときの格好なのか、ずり下がったGパンにTシャツです。
ベルトは、させてもらえないので、どうしても、ズボンがずり下がる。
父親の姿は、ありません。
…さっきの調停室の当事者のことを思い出しました。