暑いですね。
先日、ホタル見にいきました。
飛んでいるホタルが一斉に光る様子は見応えありました。
最近、ホタル見ましたか?
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れーかちゃんをもう1回少年院に送らなければならないか?
ヒヨコ調査官には、試験観察も視野に入れるように言っておきながら、内心の迷いはずっと残っていました。
審判期日はどんどん迫ってきます。
次席調査官が
「そろそろヒヨコに調査票を仕上げさせようと思うのですが」
と言ってきました。
おっ? それって探りを入れてる?
「次席…」
降参することにしました。
「迷ってます…委託先の空きがわかったからこそ尚更迷っちゃって…」
「ジェイさんらしいですね」
「そうですか…地裁の刑事の経験がなかったら、かえって迷わないかも知れないんですが」
「ヒヨコが被害者に出した照会書が返ってきました。
『治療費等の被害弁償は不要』だそうです。
しかし…それでも…少年院ですかねぇ…」
次席はやっぱり担当裁判官の考えの探りを入れているようです…ズルイじゃんそんなの…そんなことないか…
「迷ったときはカツ丼!」
「な、なんですかそれ」
次席がズッこける仕草をして聞いてきました。
「いや…昼めし食べに出て、よくメニュー見てから迷っちゃうんですよ」
「…は、はぁ」
「でね、迷った時はカツ丼にしてるんです」
「なんかの縁起担ぎですか…?」
「いや…カツ丼ってハズレがあんまりない気がするんです。どこの店でもそこそこおいしい…」
「そ、そうですかねぇ」
「だから…迷ったときは試験観察!…なんて決め打ちができたらいいんだけどなぁ~」
「ホントに迷ってるんですね」
次席もでは?
だからこんなこと話しに来ているのでは?
「こういう場合は…次席…」
腹をくくることにしました。
「調査票は、キビシイ意見で書いてもらう…しかし、審判で決めさせてもらうしかないでしょ…それが基本ですよ…」
だんだんバカバカしい気分になってきました。
非行性が進んだ子であることは確かです。
立ち直れるか?って以前の段階のような気がします。
審判だって彼女が果たして口を開くのか?
「K先生、れーかちゃんの兄と連絡とったらしいです」
ヒヨコ調査官が報告しました。
「えっ! ホントに?」
「はい…さっき廊下で先生と会ったんです」
「どうやって?」
「おばあちゃんに聞いたじゃないんですか」
「だって…おばあちゃん兄貴の居場所知らなかったんじゃないの?」
「でもK先生が調べられるルートって、そのくらいですよ」
「 … 」
やっぱりK先生…
「それで、K先生がれーかちゃんの兄を審判に連れてきていいかってジェイさんに聞いてくれって…」
「えーーーーーーーっ! まさか来るわけ?」
「で、わたしいいですって言っちゃいました!」
「だはっ!!」
今度はわたしがズッコける仕草をしました。
「わ、わたしに聞いてないじゃん!!」
「まずかったですか?」
「…ん、いや…だけど…」
ヒヨコ調査官の積極的な思考はとてもいいんだけど…
もう、審判は明後日ですよ~
いまから都合つけられるわけないじゃん
┐( ̄ヘ ̄)┌