苦手な審判の続きですが…
その1は → ここ
その2は → ここ
審判では、女の子と一緒におばあちゃんも出頭しました。
さすがに着ぐるみではなかったっです。
なかったですが、資料にあったとおり、顔は真っ黒…
目の周りも黒くて、唇だけ白く、髪は幾つかの色に染め分けられ、鼻や唇にもピアスが入っています。
(ホントにこれで14歳…!?)
案の定、人定質問からつまずきます。
「名前はなんといいますか?」
「れーか」
「…えっと…名字は○○でよかったかな」
「…(うなずく)」
事案は、自転車盗や原付盗です。
このくらいの女の子の原付盗なんかだと、だいたい共犯事案で、主犯の男の子にくっついてその場にいて見張り役とかちょっと手伝ったばっかりに送られてくる…と相場が決まっています。
読み聞かせても、まったく無反応 ヽ(;´ω`)ノ
まあね、大げさに言えば黙秘ですよ黙秘…
「違うということであれば、今日はここまでにして、次回、証人尋問しようかなぁ…」
なんて言うと、
「間違いねえよ!」
形はどうあれ、話のキャッチボールができたことにホッとします。よしよし。
事件の外形を聞くと「ああ」とか、何も言わずコックリ頷いたりとか、一応レスポンスがあります。よしよし。
さて、本題です。
「君は、毎日学校には行ってますか?」
「…(無反応)」
「毎日、家には帰ってる?」
「…(無反応)」
あ…あ…始まった…
「チッ…うるせえなぁ!! 早くカンベツ入れろよー!」
はぁ…仕方ないので、休廷です。
そのあとの進行の一例は → ここ
担当の調査官はこの日別件で手がふさがっているので、違う調査官とちょっと相談して、控え室でもう一回本人とおばあちゃんと話をしてもらってから、再開です。
そうそう、引き上げません。
「じゃあ…生活を改めると、おばあちゃんに誓えますか?」
「…びみょー…」
なんて感じで、一応、意見どおりに不処分です。
不処分…かなり気にはなりますが、
事案そのものは自転車盗や原付盗といったもので、強盗や傷害といったものと比べれば、まだ深刻な内容ではないこと、
初回係属でしかもまだ中学生なので、今後のおばあちゃんからの働きかけや本人の内省によって事態の好転があり得ること、
男の子の不良に追従している段階で、主体的に事件を起こしているわけではないこと…
と、まぁそういったところを見れば、
まぁいいか (`・ω・´)
って感じです。
ここでいう「不処分」というのは、無罪ではないです。
家裁内部では、「保護的措置をとったので不処分」という扱いです。
保護的措置というのは…この場合、調査や審判でお説教をした、そのため少年を非行から保護した…とまぁそういった意味合いです。
個人的には、その少年が男の子だったら、もう誰がみても名実ともにお説教して、少なくともその場では少年がビビリまくるところまで審判でやる自信をもっています(ビビればいいってもんじゃありませんが、一応ここではそう言っておきます)。
しかし、女の子だと…全然自信ありません。
だって…世の中舐めきった彼女らがどうすればヒヤッとするのか…いまいちわからないんですよね~
この時も、そういう無常感というか…いわば敗北感をもって自室に戻りました。
彼女が夜遊びをほんとにやめるとは思えません。
そして…月日が過ぎ(といっても1年ぐらい)、仕事に追われて過ごすうち…
「これ今日の観護措置の記録です」
「ああどうも」
「この子は前歴ありです。ジェイさんが担当だったみたいですよ」
「え~だれだれ??」
記録の表紙の少年の氏名をみると…
○○れいか…
ああー?!
「覚えていらっしゃるんですか。さすがですね。」
「罪名は?」
見ると…
強 盗 致 傷